世界のエネルギーニュース総括:9月12日


Forum on Energyの週刊ニュース総括では、ウェブ上からピックアップした世界のエネルギーに関する話題について取り上げています。ニュース総括は毎週木曜に公開され、Twitterアカウント@forumonenergyからも閲覧可能です。

原子力規制委、福島事故の再調査を検討

日本の原子力規制委員会(NRA)は2011年に福島第一原子力発電所で発生した事故の再調査を検討している。その目的は、損傷を受けた炉の格納容器で、放射性物質がどこから漏れ出たのかを特定することにある。そのほか、溶融した燃料の過熱状態を抑えるために設置された冷却システムも調査の対象となる。

出典:Reuters

 

DOE、原子力技術開発プロジェクトへの資金提供

アメリカのエネルギー省(DOE)は今週、国内の先進的原子力技術開発への出資対象として採択されたプロジェクトを発表した。プレスリリースによると、3件のプロジェクト(実施州はそれぞれ異なる)が合計で約1,500万ドルの出資を受けることになる。これらのプロジェクトは共同出資事業となっており、民間事業者主導のチームが連邦政府機関、公的および民間研究所、高等教育機関といった国内組織と協働することになる。本件はDOE原子力局による出資プログラム(FOA)の枠組みで実施されるもので、今回発表されたのはその第6ラウンドの採択分である。プロジェクトの応募・審査プロセスは四半期ごとに実施されており、今後3年以上は同様のプロセスが続行される予定である。DOEのリック・ペリー長官は、「複数の米国企業が、高い競争力を持つ次世代型原子炉の開発に向けて技術を磨いている。この原子力イノベーションを成功へと導く鍵が官民パートナーシップだ。……トランプ政権はアメリカの原子力産業を復活させ、さらに活性化するべく取り組みを続けている」と述べている。以下では採択されたプロジェクトと、その出資方法についてまとめる。

 

次の2件のプロジェクトは「先進型炉開発プロジェクト」の枠組みで採択されたものである:

 

  • 軽水炉統合型エネルギーシステムのインターフェース技術の開発および実証

ファーストエナジー・ソリューションズ社(本拠地:オハイオ州アクロン)による軽水炉(LWR)を用いたハイブリッド・エネルギーシステム開発である。提案されたプロジェクト内容によると、本プロジェクトではデービス・ベッセ原子力発電所に低温電気分解装置を設置する。このハイブリッド軽水炉システムを運転するのに必要となる主要インターフェース(例えば、電力系統と電気分解装置の間で、発電した電気の出力配分を常にコントロールするシステムなど)が対象となる。研究結果や商用化の可能性についてまとめた最終報告書はプロジェクト実施パートナーのほか、このハイブリッドシステムに関心をもつ第三者と共有される。

DOE出資分:9,184,229ドル、非DOE出資分:2,299,391ドル、計:11,483,620ドル

 

  • 応用的機械学習を用いた、原子力発電所における診断能力の強化

ブルーウェーブ・キャピタル・アンド・コンサルティング社がブルーウェーブAI研究所(本拠地:フロリダ州セレブレーション)の商号で機械学習のソリューションを開発・提供し、原子力発電所における予防的メンテナンスのための診断能力を改良・拡張する。本プロジェクトでは発電所を構成する機器類の、運転中におけるダイナミックな状況変化を完全に捉えるため、異なる燃料サイクルから15基の沸騰水型軽水炉(BWR)を選び出し、膨大な量の過去データ(体系化されたもの、されていないものを問わず)を統合する。

DOE出資分:5,476,400ドル、非DOE出資分:1,520,000ドル、計:6,996,400ドル

 

残る1件のプロジェクトは「規制対応支援」の枠組みで採択されたものである:

 

  • テラパワー社製進行波炉を用いた、先進的燃料検証手法の報告

テラパワー社(本拠地:ワシントン州ベルビュー)の提案によるプロジェクトで、同社の進行波炉(TWR)用燃料の検証手法に関する報告書を作成し、これを原子力規制委員会(NRC)に提出してレビューを受け、承認を得ることを目指す。このレポートは金属燃料を使用するナトリウム冷却高速炉を対象とするが、そのなかでまとめられたプロセスや方法論は他のタイプの燃料にも広く適用可能であり、他の米国企業による燃料検証にも資するものとなる。

DOE出資分:492,137ドル、非DOE出資分:492,138ドル、計:984,275ドル

出典:US Department of Energy

 

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