世界のエネルギーニュース総括:6月28日


Forum on Energyの週刊ニュース総括では、ウェブ上からピックアップした世界のエネルギーに関する話題について取り上げています。ニュース総括は毎週木曜に公開され、Twitterアカウント@forumonenergyからも閲覧可能です。

米国DOE、国立研究所や大学での先進的原子力技術開発にさらなる出資を表明

アメリカのエネルギー省(DOE)は今週、25の州における58件の先進的原子力技術プロジェクトを対象に、4,930万ドルを提供することを発表した。これらのプロジェクトでは原子力エネルギーの研究、設備利用、横断的技術開発、基盤整備といった活動が含まれる。DOE原子力エネルギー局のエド・マクギニス主席次官補は、「DOEは未来を見据えて先進的原子力技術に投資している。原子力は我が国のエネルギー戦略のなかでも決定的な役割を担うものであり、研究の初期段階から取り組んでこそ、遠い将来にもクリーンで信頼性が高く、レジリエントな電源として確立させることができる」と述べている。

今回の出資は以下のDOEプログラムの名の下に行われている:

 

原子力エネルギー大学プログラム

  • DOEは原子力エネルギー大学プログラム(NEUP)を通じて、23の州における大学主導の原子力研究開発プロジェクト40件に対して2,850万ドル以上を提供する。
  • 7件の大学主導プロジェクトが研究炉および基盤整備のために160万ドルの出資を受ける。これにより、大学における研究・教育基盤を強化するとともに、25基の研究炉の一部を対象に、安全性や性能、および教育目的での利用可能性を高めるための改修を実施する。

 

横断的研究プロジェクト

 

原子力科学ユーザー施設NSUF)

  • DOEは、重要な核燃料・核物質の応用研究が可能なNSUFの利用権を与えるプロジェクトとして、大学主導によるもの2件、国立研究所によるもの1件、民間事業者によるもの3件を選定した。これらのプロジェクトのうち3件については、DOEから合計150万ドルの研究資金が支給される。また、これら6件のプロジェクトはいずれもNSUFを通じて、1,000万ドル以上の設備利用料や、中性子・イオン照射試験、照射後試験施設、シンクロトロン光ビームライン技術などに係る専門的知識、そして実験の組み立てや分析に対する技術サポートといった形での支援を受けられる。さらに、上記のNEUPによる研究開発プロジェクトのうち2件がNSUFアクセス基金から300万ドルの支援を受ける。

出典:US Department of Energy

 

大阪でG20サミットが開幕

2日間にわたるG20サミットが大阪で開幕し、各国の大統領や首相、そして国際機関の代表37名が一堂に会した。多くの参加者にとっては、米中貿易戦争がエスカレートしたときの、世界経済への影響が最大の関心事であると思われる。日本の安倍首相が今回のG20のホストであり、参加国間での最終合意を取りまとめる責任者となる。世界貿易機関(WTO)ルールに電子商取引(Eコマース)が含まれるよう改正すべきとの考えをG20メンバーの多くが表明していることから、安倍首相の主な目的の一つであるWTO改革は前進するであろう。金曜日にイノベーションやデジタル経済、そして人工知能などについて議論された際、安倍首相は各国の代表に向けて、「デジタル経済の発達により、社会における様々なセクターでのイノベーションが促進される。それにあたっては情報の自由が不可欠であると同時に、プライバシーやセキュリティに対する消費者や企業からの信頼を確固たるものにすることも重要だ。……私は『大阪トラック』の名の下に、最大限のデータ活用に向けた国際的ルール作りを促進していくことを提案したい」と述べた。ただし、大阪トラックがどのように進められていくのかについては不透明なままである。

出典:The Japanese Times

 

ロシアで初の浮体式原子力発電所が運転開始

世界初の浮体式原子力発電所、『アカデミック・ロモノソフ』がロシアで運転を開始した。運用主体はロシア国営原子力企業(ロスアトム)で、このタイプの炉としては運転開始初号機となる。同機は35MWの発電能力を持ち、最大で10万人規模の町に十分な電力を供給できる。

出典:Interesting Engineering

 

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