世界のエネルギーニュース総括:3月1日


Forum on Energyの週刊ニュース総括では、ウェブ上からピックアップした世界のエネルギーに関する話題について取り上げています。ニュース総括は毎週木曜に公開され、Twitterアカウント@forumonenergyからも閲覧可能です。

米国DOE、原子力への支援を強化

米国エネルギー省(DOE)のリック・ペリー長官は国内の原子力発電に対する支援を継続する意向を示している。今週始め、国際エネルギー機関(IEA)のファティ・ビロル事務局長と共同でのプレスカンファレンスにて、ペリー長官は新たな多目的試験炉の立ち上げを発表した。これは事業者による先進型原子炉の試験を支援するものであり、次の世代の原子力発電所を支援することにもなる。ペリー長官は、「この多目的試験炉はアメリカの原子力産業を再活性化し、拡大させるというトランプ大統領の方針を実行していくうえで鍵となるものだ。……この最先端の新型炉があれば、米国企業は競合相手である中国やロシアに依存することなく、これまでできなかったような新しい技術や燃料のテストができるようになる」と述べている。また、ペリー長官は同じ場で、「原子力や炭素回収技術なくして、排出削減に向けた現実的な議論は不可能だと考えている」とも述べた。加えてビロル氏も今週、上院のエネルギー・天然資源委員会にて、「我々は今や、技術の選り好みをしている場合ではない。再生可能エネルギーも、原子力も、炭素回収・活用・貯留(CCUS)も、省エネルギーも、全てが必要とされている」と述べている。

出典:Power Magazine

 

韓国とUAE、原子力分野でさらなる協力

韓国とアラブ首長国連邦(UAE)の首脳らは、両国で原子力分野での協力の機会を模索していくとの声明を発表した。本件は、アブダビ皇太子兼連邦軍副最高司令官であるムハンマド・ビン・ザイード・アル・ナヒヤーン氏が2月26-27日にかけて、韓国の文在寅大統領とソウルで会談した際に発表されたものである。2009年12月、UAEの原子力公社(ENEC)は韓国企業に対し、アブダビにおける4基のAPR1400型炉の建設を200億ドルで発注した。昨年3月には1号機が完成しており、来年までには全4基の完成が予定されている。今週の共同声明で両首脳は、「相互の協力関係をさらに深めていくうえで、バラカ原子力発電所プロジェクトは重要な基盤になるとの認識のもと、両国は本プロジェクトの完了に向けて緊密に連携していくことで合意した」ほか、「両国首脳は戦略的原子力パートナーシップを拡大していくことや、第三国での協力の機会を模索することの重要性も確認した」と述べている。

出典:World Nuclear Power

 

ロシア、原子力の発電量で新記録を達成

ロシアの国有企業であり、原子力発電所の所有者かつオペレーターであるロスエネルゴアトム社は2018年、35基の原子炉から年間204TWh(2017年比1.4TWh増)を発電し、原子力による発電量の新記録を達成した。この発電量はロシアの電力供給量の18.7%を占める。本件はロシアの一層の原子力への傾倒を象徴するものといえる。ロスエネルゴアトム社の代表によれば、「これはすなわち、ロシアにある電灯の5分の1は原子力のおかげで灯っているということ」である。ロシアは原子力部門の増強を続けており、同国の国営原子力企業であるロスアトム社は1月、「ロシア初となる事故耐性燃料(ATF)の試験用燃料集合体をウリヤノフスク州にある国立原子炉科学研究所(RIAR)のMIR研究炉に装荷した」ことを発表している。ロスアトム社はこの原子力利用拡大の流れに乗って他国への進出も強め、自らの原子力ポートフォリオの拡大を図っているものと思われる。

出典:Power Magazine

 

 

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