世界のエネルギーニュース総括:1月4日


Forum on Energyの週刊ニュース総括では、ウェブ上からピックアップした世界のエネルギーに関する話題について取り上げています。ニュース総括は毎週木曜に公開され、Twitterアカウント@forumonenergyからも閲覧可能です。

ビル・ゲイツの原子力ベンチャー企業、トランプ政権の対中国政策で失速

ビル・ゲイツ氏が毎年自身のブログに投稿している「私が今年学んだこと」という記事において、彼の所有する新型炉開発企業であるテラパワー社が、トランプ大統領の対中国政策によってトラブルに見舞われていることが記されている。ビル・ゲイツ氏は「我が社は中国でパイロットプロジェクトを実施することを考えていたが、最近のアメリカでの政策変化によって、その可能性は低くなった」と述べている。テラパワーは2015年に中国核工業集団(CNNC)と協定を結んでおり、新型原子炉の試験炉を中国の滄州市で開発・建設することとなっていた。しかし、ウォール・ストリート・ジャーナルによると、「エネルギー省が昨年10月に発表した新規則は、中国との原子力関連の取引を全面的に禁止するものではないものの、当該技術が軍事やその他の認められていない目的に使用されないという確度の高い保証を要求している」。これによってテラパワーは、新型炉への出資を引き受ける新たなパートナーを探さなければならなくなった。大西洋評議会グローバルエネルギーセンターのランドルフ・ベル氏は、「アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、トルコといった国々は次善のオプションたり得るだろう。……しかし、中国の原子力開発にかける国家規模のミッションや、同国の巨大な市場は他には代えがたいものだ」と述べている。

出典:WSJ, Gates Notes

 

米下院エネルギー委員会、新委員長は地球温暖化に重点

エネルギー・商業委員会の新委員長であるフランク・パローン下院議員(ニュージャージー州選出、民主党)は、彼の任期における同委員会の最初のヒアリングで、気候変動による環境や経済への影響を扱うと述べた。これはアメリカの原子力部門にとってポジティブな動きの一つといえる。声明の中でパローン議員は、「我々の経済や共同体、そして我々の星にとって、気候変動は最も切迫した課題である。今回は第1回のヒアリングとなるが、これは深刻化し続けている問題であり、本委員会では今後複数回にわたってヒアリングを続けていく」と述べている。民主党主導となった下院が気候変動に注力し始めたことは、信頼性のある、カーボンフリーのベースロード電源である原子力にとっては追い風になり得る。新たに再選されたナンシー・ペロシ下院議長も、気候変動への注力を支持する発言をしている。今週木曜日、二度目の議長職に選出された後、彼女は「気候変動による危機は巨大な自然災害という形で顕在化している。この存亡に関わる危機に我々は向き合っていかなければならない。……多くの人々は我々議会に先んじて動き出しており、議会は彼らと共に歩んでいかなければならない」と述べた。

IAEA、規制機関の能力向上を訴え

12月17日から21日にかけてウィーンで開かれた会合の場で国際原子力機関(IAEA)は、「規制機関に優秀で良く訓練された人材を継続的に供給し、効率的に原子力安全を監督できるようにする」ためには、国としての戦略を確立することが不可欠であるという声明を発表した。会合参加者の声からは、それができている国はわずかしかないこと、他方で多くの国々がそのために取り組みを進めていることがうかがえた。とはいえ、追加的な取り組みは必要である。IAEA原子力安全局のメンバーであり、本会合の事務局長を務めたゲーザ・マクスーガ氏は、「今回の会合は、十分な教育を受けた優秀な規制スタッフが常に適切な位置についている状態にするために、IAEAから加盟国にどのような支援ができるのかを考えるうえで有用であった」と述べている。一国としての戦略を確立することで、各国の規制機関は国境を超えてお互いを支援し合うことができ、規制システムを最適化することができる。それによって、原子炉の認証や開発はより効率的に進められるようになる。

出典:World Nuclear News

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