世界のエネルギーニュース総括:9月7日


Forum on Energyの週刊ニュース総括では、ウェブ上からピックアップした世界のエネルギーに関する話題について取り上げています。ニュース総括は毎週木曜に公開され、Twitterアカウント@forumonenergyからも閲覧可能です。

米上院議員、原子力産業支援法案を超党派で提出

9月6日、米国議会上院のリーサ・マーカウスキー議員(アラスカ州選出、共和党)、コリー・ブッカー議員(ニュージャージー州選出、民主党)、ジェームズ・リッシュ議員(アイダホ州選出、共和党)、シェリー・ムーア・キャピト議員(ウェストバージニア州選出、共和党)、マイク・クラポ議員(アイダホ州選出、共和党)、リチャード・ダービン議員(イリノイ州選出、民主党)、ジョー・マンチン議員(ウェストバージニア州選出、民主党)、シェルドン・ホワイトハウス議員(ロードアイランド州選出、民主党)、そしてクリス・クーンズ議員(デラウェア州選出、民主党)は、「原子力イノベーションを加速させ、新型炉によるクリーンで安全、かつ安価で信頼性の高い電力を国内外のエネルギー需要に対して提供」できるようにするための法案を提出した。本法案の正式名称は「原子力エネルギー・リーダーシップ法」というもので、アメリカの原子力産業が中国やロシアの同分野での発展に対抗できるようにすることを意図している。本法案が成立すれば、研究機関と連邦政府が長期間の官民パートナーシップを結ぶことができるようになるほか、連邦政府との電力購入契約の上限期間は10年間から40年間に延長される。こちらで法案の全文が閲覧できるほか、こちらではその要約を公開している。

 

上院エネルギー・天然資源委員会の議長であるマーカウスキー議員は本法案の説明に際して、「原子力はクリーンで安全な、かつ高効率で柔軟性があり、そして信頼度の高い電力をアメリカの家庭や企業に提供している。しかし、我々はこれまで、その巨大なポテンシャルの表面的な部分を齧っているばかりであった。……今回我々が超党派で提出した法案は、新型炉開発にイノベーションを起こすうえで必要なツールやリソース、そしてパートナーシップを提供することで、アメリカの原子力産業を活性化させるものである。国内雇用を創出し、原子力技術に関する我が国の世界的リーダーシップを取り戻すための、タイムリーな施策に起草者の一人として加わらせていただいたことに感謝申し上げたい」と述べている。本件のプレスリリースや、法案に関する他の起草者らのコメントはこちらで閲覧できる。

出典:Senator Murkowski’s Office

 

MIT、原子力の将来に関する報告書を公表

マサチューセッツ工科大学(MIT)のエネルギー・イニシアティブは「炭素制約下の世界における原子力の将来」と題する報告書を公表し、原子力なしで低炭素経済を実現するには、原子力ありの場合と比べて2倍から4倍のコストがかかると発表した。同報告書では原子力について、コストの増大、使用済燃料の処分、安全性や核兵器の拡散に関する懸念といった要素から、アメリカにおける将来の役割には不確実性が大きいと説明しているほか、「設計の標準化や建設手法のイノベーションがなければ、いかなる新型炉の技術特性を用いても、他の発電オプションと競合可能なレベルまでコストを下げることはできないだろう」とも述べられている。しかしながら、筆者らはまた、原子力には可能性も残されていると述べており、今では気候変動のリスクに対する認識が高まってきていることや、民間投資家が新型炉技術への投資意欲を見せていることを指摘している。本研究では原子力にとってのチャンス、原子力発電所のコスト、新型炉技術の評価、原子力産業のビジネスモデルや関連政策、そして原子力安全規制および許認可、といった項目に焦点が当てられている。

出典:New Atlas

 

日本の異常気象について

ワシントンポスト紙は今週、この夏日本を襲った猛烈な自然現象についての記事を掲載した。6月にはマグニチュード6.1の大阪地震、7月には西日本で洪水、日本中でも記録的猛暑、そして最近では台風「ジェビ」にマグニチュード6.7の北海道地震といった「自然災害が今年、日本に殺到した」と同記事では述べている。こうした自然災害は、日本がクリーンエネルギー目標を達成するため、化石燃料ではなくカーボンフリーな原子力発電の利用を続けるべきであることを強く想起させるものである。

出典:The Washington Post

 

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