世界のエネルギーニュース総括:6月15日


Forum on Energyの週刊ニュース総括では、ウェブ上からピックアップした世界のエネルギーに関する話題について取り上げています。ニュース総括は毎週木曜に公開され、Twitterアカウント@forumonenergyからも閲覧可能です。

トランプ大統領、北朝鮮指導者の金正恩氏と歴史的な会談

トランプ大統領と北朝鮮の指導者である金正恩氏の間で、歴史的な会談が実現した。これをもって外交の新時代の幕開けだとする声もある。両首脳はシンガポールにて、北朝鮮の非核化に向けた議論を行った。驚くべきことにトランプ大統領はこの会談のなかで、韓国との軍事演習の停止にまで合意している。また、本稿の次の記事でも触れるが、この会談は日本のプルトニウム余剰保有についての議論にまで飛び火した。トランプ大統領は、アメリカと北朝鮮はともに「新たな歴史を歩み始める用意があり、二国間の関係は新章に突入しようとしている」と語っている。また、出典元の記事によると、「会談の後、トランプ氏は火曜日に行われた議論を、率直かつ直接的で、生産的であったと振り返った。さらに彼は、自分が平壌を訪ねることもあり得るし、金氏をホワイトハウスに招く用意もあると述べている。来週にもポンペオ氏と、国家安全保障問題担当の大統領補佐官であるジョン・ボルトン氏が、場合によっては北朝鮮側の担当者も交えて、今後のステップについて議論するとのことである。」

出典:The Wall Street Journal

 

日本のプルトニウム保有に新たなフォーカス

トランプ氏と金氏の会談は、新たに日本のプルトニウム保有への関心を呼び起こすこととなった。アメリカの国務省および国家安全保障会議は日本に対して、7月の日米原子力協定の延長までに、プルトニウムの保有量を削減するよう求めた。日本は現在、国内に約47トンのプルトニウムを保有している。出典元によると、これは約6,000発の核弾頭を製造できる量である。日本は通称123協定と呼ばれる二国間協定により、使用済み燃料棒からプルトニウムを抽出することが認められている。また、出典元の記事では、「関係者によると、トランプ政権は原子力協定更新の際に、日本プルトニウム保有は平和利用目的であるという共同声明も発表したいと考えている」とも書かれている。日本政府と電力各社は「この要請に対して、誠意を持って応えていく」ことが期待されているが、「それは一朝一夕に済む話ではない」。

出典:Nikkei Asian Review

 

電事連会長、プルトニウム保有量削減要請を受けて

前述の通り、アメリカ政府は日本政府に対して、プルトニウム保有量を削減するよう要請した。これを受けて電気事業連合会会長の勝野哲氏は、「利用目的のないプルトニウムは保有しないという原則の下、我々は発電所でのMOX燃料(混合酸化物燃料)の利用を早急に実施したいと考えている。プルトニウム保有量を抑制する試みは継続していく」と述べた。また、勝野氏はこれ以前に日本政府より保有量を削減するよう求められたことはなく、外交的な議論も把握してはいなかったとも述べている。

出典:Reuters

 

アメリカの原子力発電所の閉鎖が系統に与える脅威についての報告書

原子力エネルギー協会(NEI)は、このほど新たな報告書を発表した。この報告書では、原子力発電所の閉鎖が続いたとしたら、異常気象や設備不良によってガスパイプラインの供給が途絶した場合に、アメリカ国内の広域にわたって電力供給が長期間失われる恐れがあることを強調している。この報告書は国際的なコンサルティング会社であるICFが行った研究の成果をまとめたものだ。それによると、「ガスパイプラインが60日間途絶した場合にPJMの供給管区では、影響を受ける天然ガス火力発電所の45%(設備容量比)がバックアップ燃料の備蓄能力を持たないため、200時間から最大で34日間の停電が発生し得る」とのことである。同研究では、原子力発電所がその停電を軽減することに役立つことを示している。

出典:World Nuclear News

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