世界のエネルギーニュース総括:11月16日


Forum on Energyの週刊ニュース総括では、ウェブ上からピックアップした世界のエネルギーに関する話題について取り上げています。ニュース総括は毎週木曜の朝Forum on Energyで公開され、Twitterアカウント@forumonenergyからも閲覧可能です。

 

アイダホの原子力試験施設が再開

今週初め、連邦政府当局者らは、米国の原子力発電容量を拡大させる取り組みの一環であるアイダホ東部の原子炉燃料試験施設の運転を再開した。アイダホ国立研究所にある過渡事象試験炉が稼動するのは1994年以来。再開の第一歩として設備の試運転が行われ、来年には燃料試験が行われる見込み。研究者らは、近年米国において放射性廃棄物の貯蔵が問題となっていることから、より廃棄物発生量の少ない燃料の試験に向けて取り組んでいる。この試験設備は「能力、対応の柔軟性に関して世界で唯一の存在」であり、「現行の商業用発電所の5倍の出力が得られる。」

出典: ABC NewsThe Washington Post

 

ロシア、フィリピンと共同で原子力開発


11月13日、フィリピンの原子力エネルギー開発に向けた国内の政策形成に、ロシアが協力することを認める内容の覚書に両国が署名した。この覚書によって、小型モジュラー炉の製造に関する実現可能性の検討などが進められる。署名は第12回の東アジアサミットの場で、フィリピンのエネルギー担当長官であるアルフォンソ・クシ氏と、ロスアトムのニコライ・スパスキ氏によって行われた。両国は今後、「フィリピンでのエネルギー政策の策定と原子力プログラムの実施に向けた原子力インフラ調査を始め、複数の分野で協力する」。

出典: World Nuclear News

 

ドイツ、脱原子力によって最大の温室効果ガス排出国に

Energiewendeと呼ばれる反原子力のエネルギー政策を追求して以来、ドイツではCO2排出のない原子力発電所が閉鎖され、石炭火力発電への依存度が高まっている。これによりドイツの排出量はEU全体の18%を占め、EU内では「ダントツで最大の排出国となった」、と報告書「欧州気候変動リーダーシップレポート2017」に記されている。この報告書は先週、ドイツのボンで行われた国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)の第23回の会合において、NGO団体「Energy for Humanity(人類のためのエネルギー)」により公表されたもの。2011年3月に日本で起きた福島第一原子力発電所事故以降、ドイツは国内の17基の発電所を徐々に停止させる方向で動いてきた。原子力発電ができなくなるにつれ、石炭火力発電への依存度が高まり、結果的に温室効果ガスの排出量が増加した。報告書には、「原子力発電所の早期閉鎖により、ドイツは褐炭や無煙炭を用いる発電所を当分の間稼動させ続けなければならなくなった。ドイツは既に2020年の排出削減目標に遅れをとっており、今後も挽回できると考える根拠は見当たらない」と書かれている。

出典: Energy For HumanityWorld Nuclear News

 

中国、また新たな原子力発電所が完成へ

11月10日、福清原子力発電所5号機の建設現場で最初の蒸気発生器が設置された。最終的には3体設置される。中国核工業集団は今回の設置が「主配管の溶接作業に向けて確かな基盤となった」と話している。福建省にある福清発電所5号機は、同サイトに2基建設予定のHualong One(HPR1000)型の原子炉の実証炉の1つめで、2019年に運転開始の見込み。

出典: World Nuclear News

 

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