世界のエネルギーニュース総括: 8月3日


Forum on Energyの週刊ニュース総括では、ウェブ上からピックアップした世界のエネルギーに関する話題について取り上げています。ニュース総括は毎週木曜の朝Forum on Energyで公開され、Twitterアカウント@forumonenergyからも閲覧可能です。

 

米国の原子力の運命、サザン社の双肩にかかる

サウスカロライナ州で数十億ドル規模のプロジェクトが不発に終わり、米国の原子力ルネサンスの行く末は今や「サザンカンパニー」一社の双肩にかかっている。月曜日、スキャナ社が原子炉2基の新設を中止すると公表したことで、米国で建設中の原子力発電所はサザンカンパニーがジョージア州ボーグル発電所で発注している2基のみとなった。その2基の先行きも不透明だ。サザンカンパニーは、経営破綻した受注者ウェスチングハウスに代わって、工期が遅れ予算も大幅に超えている同プロジェクトの管理をしなければならない。目下、プロジェクトの継続可否の判断が求められている。ジョージア州の公益事業委員会は、サザンカンパニーがウェスチングハウスの親会社である東芝から37億ドルの支払保証を取り付けたことを挙げ、ボーグル発電所の計画に自信を見せている。スキャナ社のプロジェクトでの支払保証は22億ドルであり、比較的小さい。

出典: Fortune

日本エネルギー経済研究所、原発再稼動で同国に恩恵と主張

日本エネルギー経済研究所(IEEJ)の最新の見通しによれば、2019年3月末までに同国では10基の原子力発電所が再稼動する。これまでに5基―川内1・2号機、高浜3・4号機、伊方3号機―が新規制基準の審査のもとで再稼動を果たしている。IEEJは、既にもう7基が新たな基準を満たし、再稼動に向けて準備が進められていることを指摘。10基が運転を再開すれば、0基のときと比べ、実質GDPが5000億円、自給率が2.9%増加し、エネルギー関連の二酸化炭素排出が2.7%減少する。5基が再稼動している現在と比べて、10基が稼動すれば発電単価は1MWhあたり300円下がる。IEEJは、「原子力発電は明らかに3E(経済、エネルギー安全保障、環境)の改善に貢献する」と述べた。

出典: World Nuclear News

 

サウスカロライナ州での新設中止、バージニア州のプロジェクトへの影響も

サウスカロライナ州で原子力発電所の新設計画が建設工事中に中止となり、数十億ドルの損失を出した。この影響がバージニア州の同様の計画にもおよぶかもしれない。バージニア州最大の電力会社ドミニオンエナジーが長年温め、既に数億円の投資も行っている原子炉の新設計画が、サウスカロライナ州での失敗により一層厳しい条件にさらされる可能性がある。サウスカロライナ州のエネルギー企業(スキャナ社とサンテ・クーパー社)は今週、工期の遅れと予算の膨張を理由に建設中の2基の原子炉を完成を断念した。これにより、数十億円分の公共料金による投資が無に帰した。数日後には、サウスカロライナ州選出のグラハム上院議員(共和党)が、原子力のプロジェクトには中国やロシアで見られるような安定した政策的支援が必要である、との見解を表明している。米国は、自国の安全保障を追求する覚悟を示すべく、国内の原子炉の完成のために投資しなければならない。

出典:  The Post and Courier,  Fox News

 

中国、大亜湾発電所でGEとサービス契約締結

米国に拠点を置くGE社が、中国の大亜湾発電所を運営する企業と12年間の契約を結び、サイト内の蒸気タービンや発電機、その他補助的な設備にかかるサービスを提供することとなった。GEパワーサービスは、大亜湾原子力運転管理会社(DNMC)と締結した12年間の契約で、部品の交換、エンジニアリングの支援、その他オンサイトでのサービス、タービンの修理や寿命延長を、大亜湾に立地する6基の原子炉に提供する。香港では電力の多くを本土からの供給でまかなっており、1888MWeある大亜湾発電所の発電容量から、出力の80%が香港に送られている。大亜湾発電所の株式の25%を香港の電力会社CLPホールディングス(中電集団)が保有している。香港の政府は、石炭火力発電所を閉鎖し、2020年までに本土の原子力発電による電力供給を現在の23%から50%に引き上げる計画を有している。

出典: World Nuclear News, Wall Street Transcript

 

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