日本のエネルギー政策に関する経済産業省のアップデート


2017年)4月18日、年4回開催される日米ラウンドテーブルのメンバー会合が行われた。会合では、2015年10月にも日本の原子力政策に関する発表を行った経済産業省(METI)資源エネルギー庁原子力国際協力推進室の中原廣道室長が再び迎えられ、1年半の間に生じた進展を総括する報告を行った。

 

1) 福島第一原子力発電所に関するアップデート

中原氏は発表の冒頭で福島第一の現況を紹介し、1カ月あまり前に事故から6年を迎えたことに触れた。福島の状況は、しばしば比較されるチェルノブイリのそれとは全く異なることを強調しつつ、大きく3点について報告した:

  • 凍土壁の進行は順調であり、もう少しで完全凍結される。今年の終わりには凍結作業が完了する予定である。凍土壁は、サイト内の汚染された地下水が海に流れて海水を汚染しないよう、食い止める役割が期待されている。

 

  • 2017年1月にロボットを使用した2号機内部の撮影に成功した。これは、大破し非常に高線量となっている同号機の解体に向けて、最善の方法を見極めて前進するための大きな一歩となった。

 

  • 最後に、福島での廃止措置はまだ始まったばかりであり、完了させるためには今後数十年のうちにもっと多くの技術を駆使する必要がある。この点は、中原氏の前にも2016年12月開催の日米ラウンドテーブル恒例の会議でMETIの国際エネルギー技術協力担当(当時)の平井裕秀氏が述べている。

 

2) 日本の電力市場改革

つづいて、中原氏は日本の電力市場自由化のプロセスと、原子力利用の現状について次のように報告した。

  • 小売市場の完全自由化は2016年に行われ、法的分離は2020年までに完了する予定である。
  • 自由化は進行しているものの、競争の激化や社会的責任の負担に関わる課題にも直面している。その結果として、福島第一の廃炉のための基金の設立などに至った。
  • 原子力業界に関しては、再稼動のために非常に高水準の安全性を確保している。現在は3基が運転中、さらに7基が原子力規制委員会の審査を通過している。また、これまでに15基に関して廃止が決まっているが、政府は2030年に電源構成の20%を原子力でまかなうとする目標を現在も保持している。

 

3) 高速炉開発

中原氏は発表の終盤で、日本で行われた高速炉開発の再評価と再生に触れ、近年の取り組みのタイムラインを共有した。

  • 2016年9月:原子力関係の閣僚会議で、日本の核燃料サイクル政策と高速炉研究開発を堅持するとの歴史的判断が下され、加えて高速炉開発に関する委員会の設立が決定した。
  • 2016年12月:原子力関係の閣僚会議で、もんじゅの廃炉が正式に決定された。ただし、もんじゅ開発で得られた教訓や技術を今後の高速炉研究に活かす方針。2018年までに「戦略的ロードマップ」を策定するため、戦略的ワーキンググループが結成された。
  • 2017年3月:戦略的ワーキンググループが初会合を開き、メンバーの選定や議題について話し合った。メンバーには、METI、文部科学省(MEXT)、三菱重工(MHI)、電気事業連合会(FEPC)、日本原子力研究開発機構(JAEA)が含まれる。

 

中原氏の発表資料は以下に全文掲載:

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