SMRを阻む許認可プロセス


原子力産業の将来を考える場合、現在のプロセスとベスト・プラクティスを、次世代に現れるイノベーションとダイナミズムに適用できるか検討することが重要である。

原子力規制委員会(NRC)は、企業が米国内に原子力発電所を建設する場合、連邦の安全・セキュリティ基準に施設を適合させるよう、建設・運転一括許可の取得を要求する。現行の許可申請の枠組みは、大規模軽水炉(LWR)の設計および運転に基づくものである。LWRに使用されている技術は1950年代に遡るものであり、現在ではより効率的な改良型非軽水炉や軽水小型モジュール炉(SMR)設計へと移行しつつある。産業界のリーダーの多くは、状況の進展に応じて許認可や規制を調整するよう要望している。許認可構造を見直しは効率化を促進し、米国が世界の原子力市場で競争力を保つための重要なステップとなるだろう。

米国が将来性のある小型モジュール炉(SMR)の普及に関して現在直面している主な課題は許認可である。米国は原子力研究開発の主要なハブであることを考えると、米国産業に制約があることで、特に米国や日本によって構築された既存の安全体制の中で新興経済が次世代原子力を採用することは難しく、本質的に世界市場や設備容量に影響を及ぼしている。

2012年、エネルギー省はこのプロセスの第一段階としてSMR許認可技術支援(LTS)プログラムを立ち上げ、2013年には米国でSMRを設計し、認証し、商業化を促進するための最初のプロジェクトとしてNuScaleを選択した。現在、原子力規制委員会は合計4原子炉設計の申請前審査に関与している。

プロセスを促進するために、許認可や規制プロセスを改定可能な分野は多い。開発を進めているものの、SMR固有の緊急時準備態勢や安全規制はなく、既存の体制は全てLWR向けのものである。SMR設計開発に関するNRCからの開発早期段階におけるフィードバックは少ないため、数多くの設計を繰り返すことによって企業は推測で適用しなければならず非効率を生んでいる。端的にいうと、既存の原子力規制の枠組みを改良型原子炉に適用するために高コストがかかることと期間の長期化がSMRの商業化を阻む大きな要因となっている。

新型原子炉設計の許認可プロセスの審査が増えつつある中で、超党派の上院グループはNRCの許認可枠組みを改革すべく原子力イノベーション近代化法(NEIMA)を導入した。2016年5月18日、上院環境・公共事業(EPW)委員会は17対3で法案を可決した。この法律は、改良型原子炉をイノベーションし商業化するために必要な専門家を育成し規制プロセスを開発するプログラムを提供することを目指すとともに、従来よりも予測可能で効率的かつタイムリーなレビューを実施するために、段階的な許認可プロセスを提供することを目指すものである。

NEIMAは、原子力施設審議会、原子力エネルギー協会、気候・エネルギー・ソリューションズ・センターなど多くの原子力リーダーの支援を受けている。

NuScaleは2016年末までに最初の設計認証申請を提出する予定であり、2017年後半または2018年初めに一括許認可申請を提出する予定である。それでもなお、議会や2015年11月にホワイトハウスが立ち上げた原子力の技術革新を加速するゲートウェイ(GAIN)を通じたNEIMAの継続的な発展が今後のSMRイノベーションとその普及の行方を決定する上で重要である。