新興市場における多様なエネルギーミックスの論拠


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原子力と再生可能エネルギーは一緒に炭素排出量を削減します

これまでに、Forum on Energyでは、米国における多様なエネルギーミックスの必要性とその背後にあるロジックを効果的に概説するビデオを取り上げ、再生可能エネルギーに加えて原子力の必要性を強調した。しかし、持続可能な未来のために再生可能エネルギー技術とともに原子力を拡大する必要性は米国だけの問題ではない。

新興市場では、持続可能な発展を支える推進力は先進国より間違いなく強い。COP21のような世界会議では、未電化の場所を電化する最も優れた方法を巡り、歴史的に一貫した議論が熱心に行われている。

一方で、新興国は、先進国が経済発展のために長期間にわたって石炭発電を利用したように、自国の発展のために石炭発電を利用する権利があると考えている。石炭発電による経済発展は安定性と信頼性があり、かつ安価である。世界経済において自国の立場を確立することを目指す国にとっては魅力的だ。

しかし、世界経済発展のための長期間にわたる石炭火力の使用が気候変動の問題を引き起こしたとの反論があるため、新興市場が先進国と同様の道筋を辿ることは極めて困難である。そのため、支持者の多くは、新興国が石炭のような伝統的な飛び石を「飛び越える」ための財政的、技術的支援を行い、途上国の電化を支援している

 

ビジョン

当然のことだが、先進国が既に享受しているように、途上国は国内の全人口に信頼性ある電力を行き渡らせることを目指している。問題となるのは、150年にわたる石炭使用による産業化がもたらした悪影響を途上国が回避しようとする場合、新たな領域の計画を立てなければならないことである。

多様化についての議論が重要となっているのは、このためである。途上国の多くでは、風力、太陽光、または水力発電のポテンシャルなど天然資源に恵まれている。これらは極めて有望な技術であるが、蓄電池貯蔵容量がさらに改良されるまでは、送電網全体の信頼性ある電力ニーズを満たせないだろう。

原子力はこの問いに対して、2つのシナリオを用いて鍵となる要素を提供することが可能である。一つ目の可能性としては、トルコ、パキスタンおよびその他数カ国においてすでに着手しているように、従来型の大規模な軽水炉を新興市場に売り出すことである。

他方、原子力産業界の多くが想定する将来とは、小型モジュール炉、またはSMRに向けてシフトすることである。SMRは、電力網の構成を再編成し、予測不可能な再生可能エネルギーへの依存や高価で非効率的な中央集中型送電網の開発を必要とせずに離れた場所まで安定的かつ信頼性ある電力を供給できる。300~700 MWの電力を発電するSMRは、人里離れた村や島に対して大きな効果が期待できる他、電力集中型の産業サイトにおける既存発電に対するオンサイトの供給源として機能することも可能である。

このポテンシャルを使って、途上国経済に健全かつ多様な市場をもたらし、安定した電力供給を達成することが可能である。SMRによって供給されるベースロード電源は、太陽光、水力、風力などの再生可能エネルギーとともに、ピーク需要を補うことが可能である。

多くが予測するように、SMRの規模が拡大すれば、SRMは規模の経済によって急速にコスト競争力を持つようになるだろう。最終的に、原子力を通じて新興市場のエネルギーポートフォリオを多様化することで無炭素かつ信頼性ある電力を供給するだけでなく、大規模な電力消費地の近郊にSMRを配置することによって設置場所に柔軟性を持たせ、送電における非効率性を改良し、エネルギー未開拓地域を改善することができるのである。