多様なエネルギーミックスの論拠-米国


昨年末に開催されたCOP21では、首脳陣が集い気候変動に関する差し迫った問題に徹底的に取り組むことを約束した。現在のところ177カ国が署名しているパリ協定は、一般の人々の間にも気候変動問題に対する意識を高め、協定の野心的な目標を達成するための最も適切なアプローチに関する議論を過熱させている。

議論では、先進国と新興国の両方におけるクリーンエネルギーの拡大に焦点が当てられている。先進国では既存のインフラの大部分が有害な化石燃料発電に依存しており、新興国ではこれからエネルギー網を構築していかなければならないからである。

米国では、石炭と天然ガスに依存したシステムから脱却し、極めて多様な地域を繋ぐ数千マイルに渡る距離の問題を解決しなければならない。「従来型」の再生可能技術である太陽光発電と風力発電は一定の条件の下では非常に効果的であるが、米国は大陸であるためすべての地域でこれらのエネルギー源が十分に活用できるわけではない。風力発電や太陽光発電は確実に改良されてきてはいるが、本質的に変動的な要素を秘めていることを考慮すると、エネルギー貯蔵に関して依然として課題が残る。

シンクタンクであるサード・ウェイでは最近、興味深いショート・ビデオを制作し、米国で100%再生可能エネルギーシナリオを現実的に達成することの課題を効果的にまとめた。ビデオでは、専門的に掘り下げることなく2050年までに風力発電と太陽光発電のみから電力を供給する未来を追い求めることは現実的ではないとの推測を簡潔に述べる。

ビデオでは最終的に、再生可能エネルギーの拡大と市場への浸透を引き続き追及していくことは価値あることであり必要ではあるが、同様にその他の低炭素代替エネルギーを模索していくことも重要であると結論付ける。サード・ウェイは、特に改良型原子炉技術と炭素回収・貯留(CCS)技術に重きを置く。

幅広い視聴者を取り込むためにビデオでは大局的な見方を残しているものの、これら技術を推挙することは適切である。ビデオの中で明確化された「乖離」を改良型原子炉技術とCCS技術が埋めることができるのは、主にこれら技術が負荷制御可能なエネルギー源であるからだ。

改良型原子炉技術やCCS技術は、日照や突風など予測不可能な電源に頼るのではなく、濃縮ウランや石炭を中心とした物的供給から生み出される電力に頼るものであり、必要に応じて需要に合わせるため増強が可能である。蓄電池や貯蔵技術がさらに進化するまで、負荷制御可能な電源は全人口に安定した電力を確実に供給するために必要であり、特に米国のような地理的に多様な国では最も必要とされる。

将来における気候変動緩和のために原子力が占める重要性は、特に米国でますます明らかになってきているForum on Energyでは読者に対して、サード・ウェイのビデオの背後にある資料を調査し、可能な限り多くの人々とこの概要を共有し、より多くの人々が電力や気候変動に関する認識を高めることができるように貢献することを期待する。