福島からの教訓: ウィリアム・マグウッド氏インタビュー


「福島事故が世界的な原子力業界のこれからの在り方に深刻な影響をおよぼしていると考える人もいるかもしれないが、実際には深刻な影響はない」

これまで3回実施したインタビューと同様に、原子力機関(NEA) 事務局長であるウィリアム・マグウッド氏は自然の予測不可能性を強調することから始めた。自然に対して何を期待しようとも、以前と比較して、地震はさらに大きくなり、洪水はさらに高くなる可能性がある。bill magwood with title

インタビューにおいて、マグウッド氏は目的達成のために、原子力業界における確固たる安全文化の重要性を強調する。安全文化を徹底的に実施することで国民からの信頼を得ることができる。ウィリアム氏は「原子力安全の人的側面は少なくとも技術的側面と同様に重要である」と述べる。価値ある安全文化の体制を構築するために基本となるのは、効果的な訓練、すべての組織が正しい機能を発揮すること、そして強固かつしっかりした安全文化を構築することである。

福島事故の数カ月後にマグウッド氏がサイトを訪問した際に、住民と日本の原子力業界の間に起こっていた惨状と意見の離反について述べる一方で、福島事故がその後の日本および世界にもたらしたコミュニケーションの改善を強調する。さらに重要なことは、福島事故によってかつてないほどロボット技術が進展し、その範囲および性能において目覚ましいイノベーションに繋がったのである。

マグウッド氏は、現在に至るまで福島事故が原子力業界にもたらした悪い印象が残っていることを認識するものの、東京電力などの事業者が新たな知見や改善を効果的に実施していることを証明できれば、最終的に日本の原子力業界に対する国民の印象を大きく変えることができるだろうと確信している。

インタビューを終えるにあたり、マグウッド氏は福島事故から得た最も重要な教訓を2つ提示する。

  1. 発電所に起こることを予測することはできない。そのため、何が発生しても対応できるように準備しなければならない。
  2. 原子力事業に携わる者すべてが高いレベルの安全文化を確実に遵守しなければならない。国民がこの安全文化をどう認識するかが原子力業界にとって重要である。

最終的にマグウッド氏が国民に望むのは、原子力業界に対して国民が関心を持つことが原子力を正しく理解するために重要であるが、正しく理解することは非常に難しいことである。現在の世界経済において原子力産業を存続させるためには、この認識を根付かせることが重要となってくる。

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