どのように廃炉はクリーンパワープランを弱体化させるか


iStock_000003470513SmallForum on Energyでは最近、米国におけるクリーンパワープラン(CPP)の進展について発表当初から原子力産業の受け入れまで取り上げている。急激に明らかになっていることは、CPPは既設原子炉の財政的な窮地をどのような方法でも緩和しないということだ。米国内の多くの運転中の原子炉は、天然ガスのようなより安価な電源との厳しい経済的な競争の結果、早期閉鎖の危機にさらされている。

そのため、廃止措置プロジェクトの数は、今後数年間で増加の方向に向かう可能性がある、とThird Way(ワシントンD.C.に本拠地を置くシンクタンク)は報告書を発表し、そのような動きが与える影響について評価している。独立したMITの研究者との連携の下、Third Wayは「米国が原子力発電所を閉鎖した場合に何が起きるか」を分析している。

研究では、クリーンパワープランの最終版が既設炉の運転許可を延長するインセンティブを与えないという状況で、何が起きるかを3つのシナリオを通じて包括的にまとめている。

  1. 楽観ケース:すべての既設炉は運転期間を60年に延長する許可を与えられ、現在建設中の5つの原子炉が計画通りに運転を開始する。
  2. 中間ケース:すべての既設炉は運転期間が40年に達するが、どの炉も運転期間の延長許可を得られない。また、すでに許可が与えられているものについても、再考されるとする。このケースは、「現在米国の原子炉が直面している経済的な逆風の影響で、廃炉が大きく拡大する」とする。
  3. 悲観ケース:米国は完全に原子力発電から撤退し、2025年までにすべての原子炉は運転を終了する。

米国の電力需要は増加が予測されており、3つすべてのシナリオで二酸化炭素排出量が増加すると報告書は指摘する。悲観ケースシナリオでは、米国の二酸化炭素排出量は2005年レベルに回帰し、この10年間の進歩が無駄になることになる。楽観ケースにおいてさえ、需要増加は天然ガス火力の増加を必要とするため、二酸化炭素排出量は2012年レベルから5.5%増加すると予測される。最後に報告書は、可能な限り最も長く米国の原子力発電所が稼働しても、CPPの排出量目標を実現することは不可能であり、より厳しい削減が求められるだろう、と結論付けている。

報告書の結論において最も重要な点は、クリーンパワープランでは、現在から2030年まで原子力発電の発電電力量に占めるシェアは変わらないと仮定すると同時に、既設発電所の早期閉鎖を防ぐためのインセンティブやステップが何も示されていないことだ。天然ガス―原子力に代替すると考えられている―は石炭よりクリーンであるが、二酸化炭素排出がない電源を排出がある電源に置き換えることは、クリーンパワープランの目標達成を難しくする。

本報告書を通じてThird Wayは、原子力産業だけではなく米国の環境目標の苦境に対して、期限が非常に差し迫ってきているという現実を定量化し、簡潔に痛烈な警鐘を鳴らしている。

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