持続可能な発展のために、原子力発電に代わる案はあるか


これから何週間かに渡って、Forum on Energyは第7回日米円卓会議の内容について取り上げていきます。シリーズの最新記事もご覧ください。

午後のセッションは、ジョージ・ワシントン大学教授でありPlanet Forwardの作成者でもあるFranc Sesno氏のスピーチから始まった。Planet Forwardとは、世界共通であるエネルギー、気候変動、持続可能性の問題に対して、新たな解決策を模索するウェブ・テレビ番組である。スピーチ後Sesno氏は、The Power to Save the Worldの著者であるGwyneth Cravens氏、Breakthrough InstituteのJessica Lovering氏、気候・エネルギー・ソリューション・センターのRobert Perciasepe氏、ジョージ・ワシントン大学の化学・国際関係の専門家であるChristopher Cahill博士の間のパネルディスカッションでモデレーターを務めた。

議論では、予算、安全性や炭素排出を考慮した上で、国家のエネルギー生産の中で原子力発電が果たす役割について検討された。各パネルメンバーは、原子力発電の重要性を強調し、原子力産業には懸念とチャンスの双方があるとした。企業や規制者が、全ての事件や事故を公衆に対し報告するべきであること、国際的なエネルギーの議論の中で積極的に発言すべきであることなどが主要な論点として指摘された。

Breakthrough Instituteでシニア・アナリストを務めるLovering氏は、原子力発電所がもたらす経済的価値を、社会、環境、財務、安全保障及び法の各観点から分析している。彼女は会議で、聴衆に対し「日本は、炭素排出量を削減するために原子力発電所が必要ではないのか」との問いを投げかけた。

いくつかの理由から、エネルギーシフトは徐々に起こる傾向がある。1990年から2011年にかけて、一人あたりの炭素排出量はアメリカでは削減されているが中国では増大している。ドイツ、フランスと日本においては、ほぼ同程度の排出量レベルであった。2011年以降、フランスは原子力発電により概ね低いレベルの炭素排出量を実現してきた。ドイツにおいては、原子力の代わりに化石燃料の使用が、天然ガスの代わりに再生可能エネルギーの使用が増大している。日本では、福島の事故後における排出量の増加が見られる。

日本における原子力発電からの転換は、化石燃料使用の大幅な増加に繋がっている(年間約40%増)。結果として、大気汚染が深刻化し、それにより死亡者数の増加は4,000人以上と推定されている。加えて、燃料価格の輸入増加や製造コスト高騰を背景として、日本の貿易収支は約30年ぶりに赤字を記録した。

日本は歴史的に、炭素排出削減目標の達成に失敗してきた。たとえば、1998年には2013年までに炭素量を100MMTに削減することを約束した。しかし、実際は2007年には200MMT以上もの排出量を記録し、1998年のレベルに逆戻りまでしている。2020年までには1990年のレベルに削減することを目標としたが、2011年にCO2排出量は劇的に増加している。

2040年までにIEAの450pptの要求を満たすためには、日本は可能な限り原子炉を再開しなければならないだけでなく、新たな原子炉の建設や再生可能エネルギーの導入を進めなければならない。太陽光、風力、地熱による発電を、前例がない比率や量で活用していかなければならないのだ。そして、これら再生可能エネルギーの導入は広大な土地を要するため、国土面積が限られている日本にとっては困難を極めると言えるだろう。これらの評価に基づくと、日本は原子力発電抜きでは炭素排出量を削減することはできない。原子力発電を活用したとしても削減は難しい程なのである。