これから何週間かに渡って、Forum on Energyは第7回日米円卓会議の内容について取り上げていきます。

 

アメリカ国営企業であるテネシー川流域開発公社(TVA)は、本土南東の7州における約900万人もの人々に対して、国内平均以下の価格で電力を供給している。困難な経済状況、より厳格な新しい環境基準、生産過程において求められる技術の近代化、変化する顧客のニーズなどを受けて、TVAは国内のリーディング・カンパニーとして、原子力によるエネルギー生産や化石燃料への依存度低下を通し、安価でより環境に優しいエネルギーを生産するという新たなビジョンを打ち出した。TVAはテネシー州東部においてワッツ・バー2号機の建設完了を目前としており、1,100MW以上の容量をTVAの生産可能容量に追加させる予定だ。

アリソン・マクファーレン前NRC委員長のワッツ・バー原子力発電所視察(提供:TVA

アリソン・マクファーレン前NRC委員長のワッツ・バー原子力発電所視察(提供:TVA

ワッツ・バー

TVAの3つ目の原子力発電所であるワッツ・バー発電所は、テネシー州東部のチカマウガダムから約1700エーカー北部に位置する。この発電所には、現在稼働中の原子炉が1基、建設中の原子炉が1基ある。

通常、原子力発電の燃料コストは他の発電源(水素を除く)のものと比較すると格段に安いが、ワッツ・バー2号機は、建設が順調に進んでいないことに加え資金難に陥っている。TVAは、状況を改善するために調査を重ね、リーダーシップ、見積もり、実行、監督の4点が不十分であったことが遅延の原因であるとの結論を導き出した。そこでTVAは、ワッツ・バー1号機を含めた他の原子力発電所における建設計画を分析し、各要因に対するアクションプランを策定した。また、建設が遅延していたもう一つの理由は、2011年の日本における3プラントのメルトダウン以降厳しくなったNRCの安全基準にあった。ワッツ・バー2号機は、福島の事故後に策定された新たなNRCの要求を具現化させた、初めての発電所となる。

これらの経験を活かして、TVAは請負業者の報告を確認する仕組みを独自に作った。請負業者からの報告が正しいか否かを確認するための、独立した組織を設立したのである。また、従来の計画通りに建設を進めているかについて、3から4カ月ごとに評価を行う組織も設立された。四半期ごとに、TVAは委員会に成果を報告している。

ワッツ・バー2号機の完成は間近だ。目標は、1970年代に当初の技術を用いて建設が開始されたと思わせないくらいに「新しい」原子炉を作ることである。建設は一度、原子力のエネルギー需要を懸念し1980年代後半に中断された。そして2007年にプロジェクトが再考され、2012年に建設が再び始まったのである。計画や検査が進む中で、全てが差し替えられるか、一新された。TVAは、2015年までに燃料装荷に関する許可をNRCに申請する予定だ。ワッツ・バー2号機運転のための人材もすでに確保されており、新たな原子力発電所の開業準備は万端である。

許可

ボーグル原子力発電所とは異なり、ワッツ・バーは建設と条件付き運転の一括許認可ではない旧来型の許可のもとで運営を行っている。しかし、福島事故やサイバーセキュリティ上の問題など、新たな課題の台頭により許可のプロセスはより複雑になったにも関わらず、機能している。鍵は、TVAとNRCの間に開かれたコミュニケーションを維持することである。完璧ではないものの、ワッツ・バー1号機におけるプロセスには改善が見られている。

 

>>ワッツ・バーのMike Skaggs副社長による運転や建設に関するプレゼンテーションはこちら