リンカーン米上院議員が原子力発電の重要性に言及


Senator Blanche Lincoln

Senator Blanche Lincoln

今年の日米円卓会議においては、ブランシュ・リンカーン元上院議員(Ret. D-AR)が閉会のスピーチを行い、アメリカ経済における原子力発電の重要性について述べた。現在、リンカーン氏はLeadership of Nuclear Mattersのメンバーの一人である。

原子力発電は、今世紀常に矛盾を抱えていた。一般的にアメリカ人は、原子力発電に関しては企業や政府に対して疑念を持っている。それは、規定された利害関係、多くの反対意見、時に不明瞭な科学者たちのコミュニケーションなどに起因する。

「人々は、企業や政府の対応を求めていない」とリンカーン上院議員は述べる。公衆の意見をきちんと理解する必要があると強調しながら、「人々は結果を求めている。それが、なぜ我々が個人に重点を置いた対話を行うべきかの理由だ」とした。

現在稼働している原子力発電所の維持は、原子力発電により環境負荷が少なく安価で安全なエネルギーが発電されているとの認識が根付くために、不可欠である。発電所が閉鎖されれば、環境問題への貢献や経済状況の改善といった国家目標を達成することは困難となるだろう。

我々は、現状の課題を解消しない限り、新たな技術に投資することはできない。もし我々が真剣に経済状況と環境問題の現状を変えたいのであれば、原子力発電によりもたらされている利益を正確に認識し、評価する必要がある。加えて、現在稼働している発電所の運転を続けなければ、将来的に発電所を建設し続けることは不可能である。

大きな利益をもたらしているにも拘わらず、現状では多くの発電所が経済的な危機に陥っている。原子力企業は、規制費用の上昇や2011年の日本の事故を受けた新たな地震・津波の対策にかかる費用により財政的な圧迫を受けている。

「原子力発電所は、安全性と信頼性の高い電力を発電している。しかしながら、電力市場の競争の中で、消費者の利益にならず長期的には送電網の不安定化をもたらすようなエネルギー源により、早期に閉鎖するリスクに晒されているのだ」と、NEIの理事長兼CEOであるマーヴィン・ファーテル氏は述べる。

リンカーン上院議員によると、電力市場は炭素排出の少ないという原子力発電の価値を十分に重んじていない。彼女は、「原子力は、低炭素であるという事実に対して十分な評価を受けていない。2013年には13億もの車から排出される量と同等である600tトンもの炭素排出の削減に寄与したにも拘わらず、である」と指摘している。

より広く考えると、アメリカにおける卸売価格が急降下したことにより、エネルギー市場は全体として苦境を強いられている。近年、バーモント・ヤンキー原子力発電所も経済的な行き詰まりから閉鎖を余儀なくされている。

信頼度の高さも、原子力発電を議論する際の重要なポイントである。リンカーン上院議員は、原子力発電以外の多くの発電所を閉鎖へと追いやった去年の季節はずれの寒気に触れながら、「極循環に伴い、ニューイングランドに対して必要な時に天然ガスを供給できないことも分かった」としている。

経済や政治の複合的な要因によって、原子力産業には財政的な向かい風が吹いている状況にある。そのため、産業界は一体となって、原子力発電をはじめとした低炭素なエネルギー源は国家的な目標を達成するために必要であることを示さなければならない。

リンカーン上院議員は、「我々は、低炭素のエネルギー源はアメリカが掲げる目標を達成するために不可欠であるということを、推測するのではなく証明しなければならない」と最後に強調した。

>>バーモント・ヤンキー原子力発電所の閉鎖に対するNuclear Mattersのプレスリリースはこちら