世界のエネルギーニュース総括:9月18日


foe_newsroundup_blueForum on Energyの週刊ニュース総括では、ウェブ上からピックアップした世界のエネルギーに関する話題について取り上げています。ニュース総括は毎週木曜の朝Forum on Energyで公開され、Twitterアカウント@forumonenergyからも閲覧可能です。

レイク・バレット氏が汚染水の海域への放出を提案
東京電力の顧問でありアメリカ原子力委員会の官職も務めたレイク・バレット氏は、ブリティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツに、福島の水質汚染に関する意見記事を掲載した。バレット氏は福島第一原子力発電所付近において、汚染水の処理、高額且つリークを起こしやすい貯蔵庫の最小化や海域への放出を含む水質管理システムの向上が必要であると述べている。「多額の資金を投資してタンクを建設しすべての汚染水を貯水しようとしても、現状の対策として不適切で非効率的である。まずは、処理システムの向上を通して水質を改善させる。そして日本の厳しい放出基準値を満たした後、議論を行い承認された上で、管理を行いながら海水への放出を行っていく他に現実的な代替案はないだろう。」とバレット氏は論じた。
出典Bulletin of the Atomic ScientistsBloomberg

ウェスチングハウスが中国との契約に合意
ウェスチングハウスは先週、中国のState Nuclear Power Automation System Engineering Company (SNPAS)と2つの合意を交わしたと発表した。一つは、AP1000のために2010年11月から提供している計装制御(IC)システムに関するものだ。そしてもう一つは、AP1000の開発に基づく、国家核電技術(SNPTC)の新たな事業のためのICシステム開発についてである。ウェスチングハウスとSNPTCは今年の初めに、原子力に関して戦略的な協調関係を構築する旨の覚書に署名した。Westinghouse Nuclear Automation and Field Servicesの副会長であるデービッド・ハウエル氏は、「我が社がこのステップへと踏み出せたことは意義深い。これらの合意は、ウェスチングハウスが計装制御システムの構築において指導的な役割を果たしているとの、中国事業者の認識を示唆している。この認識は、今後ウェスチングハウスが中国の原子力産業の成長に戦略的に携わる機会を増やすだろう。」と述べている。
出典Westinghouse

融資に関する主要な変化について、世界原子力協会で議論
従来、原子力産業は国家からの融資により支えられていたが、シャーマンアンドスターリングLLPでパートナーを務めるジョージ・ボロヴァス氏によると、近年多くのプロジェクトが民間企業による融資を求められているという。しかし、民間による融資という事業モデルは非常に先例が少ないため、企業からの自然発生的な融資を得ることは困難となっている。これまでには、東芝が英国のNuGenを支援したように、製造業者が支援を行う事例が何件か存在している。しかし、プログラムの開発方法に関するノウハウの欠如によって、ベンダーにとっても融資しにくい状況が作り出されてしまっているのだ。財政的リスクや風評リスクに鑑みると原子力発電に関する投資は初期段階では十分に魅力的とは言えないため、本来投資元としては輸出信用機関や多国籍銀行などがふさわしい。ボロヴァス氏は、市中銀行によるフィードバックを計画の初期段階で導入し、リスクに対する解決策を早期に発見することで、この問題は軽減されると助言している。
出典World Nuclear News

原子力発電に対する過小評価は発電所の閉鎖をもたらし兼ねない―アメリカ原子力エネルギー協会会長マーヴィン・フェルテル氏の議論
原子力エネルギー協会(NEI)のマーヴィン・フェルテル会長は、近い将来、アメリカにある原子力発電所のうち5~10基は閉鎖に追いやられるであろうと述べた。原子力発電がもたらす利益について十分な認識が得られていないためだ。ベースロードエネルギーとして機能する、送電網の安定性に貢献する、二酸化炭素排出が少ないなどといった特性を有する原子力発電は、現にエネルギーの需要増加と地球温暖化への対応として世界各国で注目を集めている。「我々は、発電所の閉鎖を行う前に原子力発電によって市場にもたらされている利益を十分に認識する必要がある。それが行われなければ、悲劇的な結末が待っているだろう。」とフェルテル氏は述べた。
出典World Nuclear News

原子力は地球温暖化防止の鍵となる

世界原子力協会のスピーチの中で、イギリスの気候変動特別代表であるデービッド・キング氏は、世界各国が現状のまま化石燃料を使用し続けていくことはできないと述べた。彼は、「このままでは、地球上のすべての資源を使い果たしてしまう。化石燃料の使用は、安易に経済成長のための単純な手段だと捉えられるべきではない。」と述べ、増加するエネルギー需要への対応に主眼が置かれるあまり、地球温暖化への対応が依然として十分に講じられていないと論じた。原子力発電と再生可能エネルギーによる発電を組み合わせると、イギリスは2050年までに80%のCO2を削減できるという。キング氏は、原子力発電は「世界の多くの地域において重要な役割を担っている」と述べた。
出典World Nuclear News