日本の第4次エネルギー基本計画の分析


経済産業省資源エネルギー庁総合政策課需給政策室長の奥家敏和氏は今週、ワシントンD.C.とニューヨーク市のさまざまな場所で、日本の第4次エネルギー基本計画について討論する予定である。本計画は、福島第一原発事故後に策定された最初の基本計画である。本計画の概要を以下に記す。英語版はこちらに記載されている。本計画の発表中継を閲覧するには、6月12日にブルッキングズ研究所で開催される討論会にウェブからご参加ください。

日本:第4次エネルギー基本計画の分析

Japan: Analysis of 4th Strategic Energy Policy

4月11日、日本の新しいエネルギー基本計画が閣議決定された。第4次となる本計画は、2011年3月の福島第一原発でのメルトダウン事故後に策定された最初の基本計画である。本計画では、クリーンエネルギーに長期間依存していくことを強調している。この中で要求していることは、全発電中の原子力発電の割合の低下、再生可能エネルギーの利用拡大、中期のつなぎ燃料としての天然ガスの継続利用、エネルギー効率の向上、再生可能エネルギーとメタンハイドレートなどの将来の潜在的エネルギー源の研究開発への重点化である。

日本の第4次エネルギー基本計画では、国のエネルギー安全保障を実現するための総合的な取り組みを要請している。この構想には、国外と国内の供給源の多様化による重層的な「資源外交」の促進、上流の供給国との包括的な提携の追求、日本を液化天然ガスの将来のアジア市場におけるハブとして確立することが含まれる。特に、日本は、日米間のエネルギー協力を拡充して、日本のエネルギー安全保障を確実なものにしようとしている。

日本は、エネルギー基本計画の一環として、大規模な効率向上計画の採用により、温室効果ガス排出量を制限し、エネルギー安全保障を強化する予定である。この実現のために、産業に特化した省エネルギー化計画を採用し、すべての建築物と住宅に対して業務用基準と住宅用基準を満たすようにする。すべての家庭と企業にスマートグリッド技術を導入することにより、エネルギー需要の管理も向上させていく計画である。

日本政府は近いうちに、再生可能エネルギーに関する政府の政策の調整を任務とする「再生可能エネルギー等関係閣僚会議」を設立する予定である。日本は、陸上風力発電、洋上風力発電、地熱発電などの再生可能発電を促進するために、環境評価を迅速化し、新規技術への投資を促進し、民間部門のリスクを軽減する計画である。日本政府はまた、福島再生可能エネルギー研究所の建設を支援することで、次世代の再生可能エネルギーの調査・研究に貢献していく。

本計画は、福島での事故後初のエネルギー基本計画で、日本の原子力政策の将来について総合的に規定し、原子力産業の新しい政策を決定したものである。本計画が日本政府に求めていることは、福島第一原発の廃炉と、進行中の汚染水への対処においてより積極的な役割を果たすことである。また、本計画により、政府には賠償措置への関与を増す任務がある。この構想は、原子力発電所を監督し、原発の運転に対する安定した環境と日本国民への最高水準の安全性を保証する政府の役割を根本的に再検討しながら、進められるものである。日本政府は、どの原発を再稼働させるかについては、原子力規制庁の判断に従うことを誓約している。また、政府は、適切な原子力発電リスクマネジメントシステムを制定し、立地自治体と協力して緊急時対応計画を改善していくことを確約している。

日本政府は、第4次エネルギー基本計画で、使用済燃料の管理と貯蔵の対策を探究していくことを確約している。特に、高レベル放射性廃棄物については、将来、処分方法の技術的進展がある場合に可逆性と回収可能性を担保する地層処分の調査・研究を、政府は推進していく。政府はまた、中間貯蔵施設と乾式貯蔵施設の建設と利用に着手し、使用済燃料の減容化・有害度低減方法の研究開発を推進していく計画である。

しかし、日本政府は今後も、核燃料サイクルを維持し、中長期的に柔軟性を持って核燃料サイクルを管理していくことを確約している。この取り組みには、米国とフランスとの協力による高速炉の研究開発が含まれる。また本計画では、適切な利用目的のないプルトニウムは持たないという日本政府の確約を繰り返し規定している。

極めて重要なことは、第4次エネルギー基本計画により、日本政府が、日本の原子力産業と、日本と海外の幅広い国民との間の信頼の再構築を確約することである。この実現のために政府が取り組んでいるのは、自治体との協議を増やして日本の国民に直接訴えかけること、安全上の懸念への対応に重点を置くこと、しっかりした緊急時対応計画を作成することである。国際的には、日本は、原子力の新興市場において人材育成と組織開発を支援することにより、原子力産業への信頼を再構築していく計画である。

日本政府は、発電部門の改革の他に、電力の小売りの全面自由化と送配電部門の分離により、電力市場の改革を推進することも確約している。同時に、本計画では、冗長性と弾力性を高めるため、石油、ガス、LPガスの貯蔵・輸送システムの強化を要請している。

最後に、第4次エネルギー基本計画では、日本のエネルギー技術に関する研究開発の将来について概要を示しており、化石燃料部門における効率向上と化石燃料廃棄物の低減を目的として、コージェネレーション(熱電併給)、高効率自動車、メタンハイドレート、電池貯蔵、燃料電池などの技術への投資を増やすよう要請している。政府は、今後1年間かけて、エネルギー技術に関する研究開発のロードマップを作成していくことを確約した。

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