世界のエネルギーニュース総括:6月5日


foe_newsroundup_blueForum on Energyの週刊ニュース総括では、ウェブ上からピックアップした世界のエネルギーに関する話題について取り上げています。ニュース総括は毎週木曜の朝Forum on Energyで公開され、Twitterアカウント@forumonenergyからも閲覧可能です。

今夏、西日本の電力需給が逼迫
今夏、西日本にある日本の工業の中心地域において、電力需要がピークになる時間帯における電力供給が不足する見込みとなっている。原子力発電所の長期停止や九州の松浦にある石炭発電所の予期せぬ運転停止により、西日本の電力系統は僅かなミスも許されない状況となる。発電所が1基でも追加的に運転を停止すれば、大規模停電が発生する可能性がある。政府当局は東日本から西日本への電力融通を計画している。この融通により、西日本【訳者注:原文では東京電力となっていたが、西日本に訂正】の供給予備率は2.7%から3.4%に、関西電力は1.8%から3.0%に、九州電力は1.3%から3.0%にそれぞれ改善する。福島原子力発電所の事故発生以前は、日本の電力会社は通常10%以上の供給予備率を維持していた。
出典Bloomberg

ロシアがカザフスタンにおける原子力発電所の新設に合意
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とカザフスタンのヌルスルタン・ナザルバエフ大統領との会談において、カザフスタンのカザトムプロム社とロシアのロスアトム社のCEOが、原子力発電事業の提携に関する契約と、原子力発電所の新設に関する覚書を締結した。この発電所は、出力が300~1,200MWとなるが、1999年にアウタウ高速炉が運転を停止して以来、カザフスタンで初めて建設される原子力発電所となる。発電所の建設費用、立地、設計、出力は分かっていない。また、両国は、今年の10月28日までに、「ロシアとカザフスタンの合弁によるカザフスタン国内のウラン埋蔵量把握のための計測」に関する合意を結ぶことを約束した。
出典World Nuclear News

パナソニックは、福島原子力発電所の作業員向けにロボットスーツを開発
6月2日(月)、パナソニックの80%出資会社であるアクティブリンク社が、産業労働者向けに開発したロボットスーツをお披露目した。このロボットスーツは、着用者が重い物を持ち上げたり、危険な環境から身を守ったりする際の助けとなる。PCWorldの報道によれば、このスーツは元々、米国の軍事用や身体に麻痺のある患者の歩行支援用に利用されてきた。パナソニックは、このスーツが、原子力発電所の通常の保守作業に従事する作業員だけでなく、2011年に事故が発生した、日本の北部の福島第一原子力発電所のような災害現場で働く作業員の助けになると考えている。アクティブリンク社は、三菱重工業および日本原電と共同でパワースーツの改良を行っている。2017年までに試験的モデルが開発される見込みだ。
出典PCWorld

米国環境保護庁が提出した排出規制案が、原子力産業の可能性を後押し
月曜日、米国環境保護庁(EPA)は、国内の発電所から排出される二酸化炭素を、2030年までに2005年比で30%削減することを求める規制案を提出した。この規制案は、二酸化炭素排出量の多い石炭火力発電所に主として影響すると見られる。また、この規制案は、既存の約100基の原子力発電所に、二酸化炭素の排出を抑制するオプションとしての役割を与えている。同庁は、経年化した原子力発電所の運転期間の延長を推奨した。E&E Newsによれば、同庁のスポークスマンは、「再生可能エネルギーの容量拡大を推進し、原子力発電所の寿命到達前の運転停止を防止する政策は、二酸化炭素の排出量の削減戦略において効果的な要素になりうると同時に、至近の産業界の行動とも足並みが一致している」と述べた。同庁は、今回提出した規制案において、目標達成のために、各州における原子力発電所のベースロード発電容量の6%分だけ削減を保留できることとした。米国原子力エネルギー協会の会長兼CEOであるマーブ・ファーテル氏は、国内の原子力産業が、2016年6月30日に期限を迎える、米国の二酸化炭素排出量の削減公約を達成するために実行可能なオプションとして位置づけられるだろうと述べた。
出典: E&E News (1,2)

東京電力に凍土壁建設開始の承認
東京電力は、先週、福島第一原子力発電所建屋からの地下水漏出を抑えるために凍土壁の建設を開始することについて承認を得た。このプロジェクトは、世界最大規模の土壌凍結作業になると見られる。福島第一原子力発電所周辺の土壌は、パイプの中にポンプで送られた冷却材によって冷却される。これにより凍結した土壌は、汚染された地下水の漏出を食い止めるものとなる。World Nuclear Newsによれば、このプロジェクトには3億1,300万ドル程度の費用がかかる。東京電力は、建設作業が2015年3月に完了すると見込んでいる。
出典World Nuclear NewsPhys.org