世界のエネルギーニュース総括:5月8日


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フランスと日本、新型高速増殖炉に関する協力で合意
日本の安倍晋三首相は先頃フランスを訪問し、共同声明によると、オランド大統領との間で「民生用原子力研究を強化する」という点で合意した。研究では、ナトリウム冷却高速実証炉、ASTRIDと呼ばれる、第4世代の高速増殖炉に焦点を当てる。ASTRIDは600MWのプロトタイプで、2020年の稼働を予定し、2040年の発電開始を計画している。この研究は、フランスの原子力研究機関である原子力・代替エネルギー庁、EDF、およびアレバとの共同プロジェクトで、この原子炉は同量のウラン燃料を使用した場合、従来型の原子力発電所と比較して最大で100倍の電力を生産することが期待され、また放射性廃棄物の焼却も可能である。2011年、フランスは基本概念開発のため6億5200万ユーロを割り当てた。
出典Bloomberg

日本と英国、除染と建設に関してさらなる協力で合意
日本の安倍晋三首相は先頃英国を訪問し、日本と英国の原子力企業が、除染と原子力発電所新設の両方でさらに協力することで合意した。除染分野では、セラフィールドと東京電力の子会社である福島第一廃炉推進カンパニーが、「放射性廃棄物管理、除染、および廃炉について、専門性、経験、および技術を共有する」ことで合意した。この合意は、東京電力の子会社と海外の原子力発電企業間で交わされる初めての契約である。また、安倍首相の訪問時、日本の東芝とフランスのGDFスエズが、新たに3基の原子炉建設を計画しているセラフィールドの土地を管理する件で、両社は英国の原子力廃止措置機関と合意した。この合弁企業が2009年に1,950万ポンドで購入したサイトのオプション契約は期限切れとなる予定であった。合弁企業は、同サイトで2024年までに最初の原子炉を運転開始する予定で、発電所の建設中は、約21,000人が直接的および間接的に雇用される見込みだ。
出典World Nuclear NewsReuters

専門家の懐疑的意見により、凍土壁プロジェクトが遅延の恐れ
日本と米国の専門家はともに、凍土壁の計画は、周辺環境に予期しない結果をもたらすと懸念している。凍土壁は確立された技術であるが、福島で用いられる規模と期間はかつてないものだ。東京電力は実現可能性調査を実施し、その成功を確認しているが、リスク管理に関する専門家の懸念を抑えることができない。東京電力は6月に建設を開始する意向であるが、専門家の懸念によりプロジェクトの遅れが考えられる。地中に埋めたパイプに冷却材を流して地中に0.9マイルの壁を建設するために、日本政府は3億2000万ドルの拠出を約束している。凍土壁は、発電所の4基の破損した原子炉とタービン建屋を囲むことで、地下水が建屋の地下室に流れ、溶融炉心から漏れた高濃度汚染水と混ざることを防止する。
出典Manufacturing.netBloomberg

日本の電力会社が資金注入を受ける
九州電力と北海道電力は、日本政策投資銀行からそれぞれ1,000億円(9億7500万ドル)と500億円(4億8700万ドル)の優先株式投資を受けた。この投資は、6月26日の株主総会で承認を得るまで正式なものとならない。3年間の純損失の相殺に役立つこの資本支援は、7月31日と8月1日に、北海道電力と九州電力に対して行われる。World Nuclear Newsによると、両社は、優先株式発行により得た資金を、電力の継続的な安定供給と、原子炉の安全性改良のために利用すると発言した。
出典World Nuclear NewsReuters

EIA、原子力発電所新設がない場合の影響を予測
米国エネルギー情報局(EIA)は、「Annual Energy Outlook 2014」の一部を発表した。World Nuclear Newsによると、発電所の廃止が加速することの示唆に係る報告では、2040年に向って石炭と原子力発電の両方が急速に廃止される影響について注目している。報告では、米国の原子力発電所の早期廃止による経済および環境に対する悪影響を強調し、サンオノフレ、キウォーニー、およびクリスタルリバー発電所の早期廃止の結果について例証している。また、World Nuclear Newsは、原子力発電所の新設がないシナリオを考察した調査部分も強調している。その内容は、発電量の不足は、主に、CO2を排出する天然ガスの火力発電を13%増加することで賄われるというものだ。
出典World Nuclear News