世界のエネルギーニュース総括:8月1日


Newsroundup42-471x315Forum on Energyの週間ニュース総括では、ウェブ上からピックアップした世界のエネルギー事情の話題について取り上げています。ニュース総括は毎週木曜の朝Forum on Energyで公開され、Twitterアカウント@forumonenergyからも閲覧可能です。

東電、放射性物質漏洩の情報開示遅れを巡って避難される
福島第一原子力発電所とその周辺に関する情報の開示が遅延したことを巡って、東京電力(TEPCO)に対する批判がさらに高まっている。東京電力は、放射性物質で汚染された地下水が海に流れ込んでいる事実を数ヶ月前に把握していたことを認めた。東京電力の説明によると、流出の程度を把握するまで公表は見送っていたとのこと。これに対し、元米国原子力規制委員会(NRC)の委員長であり、現在は日本の原子力改革監視委員会の委員長を務めるデール・クライン氏をはじめとする海外の原子力専門家は、市民と周辺環境の保護を怠っているとして東京電力を非難している。
出典:Agence France-PresseAssociated PressE&E

モニッツ長官、放射性廃棄物処理計画について上院で証言
米エネルギー省のアーネスト・モニッツ長官は今週、放射性廃棄物処理法について、上院のエネルギー・天然資源委員会で証言を行った。同法は、新たに連邦政府機関を設立することで、放射性廃棄物を管理し、使用済み核燃料の試験的貯蔵施設を設け、使用済み核燃料の一時的な貯蔵施設を仮設することを目的としている。米政府はブルーリボン委員会の提言を受け、同意に基づく新たな手法を用いた、代替の放射性廃棄物貯蔵施設の建設を検討しているが、上院の共和党議員は、問題となったユッカ・マウンテンの貯蔵施設の代替を模索する政府を批判しており、モニッツ長官の証言にも反論している。
出典:National JournalSt. Louis Post-DispatchE&E

エネルギー法、3年ぶりに米国議会へ
画期的なキャップ・アンド・トレード法案が2010年に廃案となった米国では、抜本的な改革に先立ち、小規模なエネルギー法案が成立する傾向にある。上院のシャヒーン議員とポートマン議員は今週、マイホーム所有者・製造業者・一般企業・連邦政府に省エネルギーを奨励し、米国内のエネルギー効率の改善を目指す法案を提出した。昨年も提出された同法案は、超党派をはじめ、産業界や環境保護論者の支持も得ており、米国が直面するエネルギー問題に広く対処する上で、地味ながらも重要な一歩と考えられている。また、共和党議員の一部は、オバマ政権にキーストーンXLパイプライン計画を承認させるべく、修正案の導入を画策している。なお、類似のエネルギー効率法案を通そうとした前回の試みは失敗に終わっている。
出典:The Hill、E&E (1, 2)

EDF社、米原子力発電市場から撤退
シェールガス・ブームで天然ガス価格の下落が続くなか、仏EDF社(Électricité de France SA)が米原子力発電市場から撤退する。仏政府所有の大手原子力企業EDFにとって、原子力発電所の建設・運営は、高リスクかつ魅力のない投資となりつつあるようだ。エクセロンとEDFは合同でコンステレーション・エナジー・ニュークリア・グループ(CENG)を保有している。CENGは現在、米東海岸の3カ所で原子力発電所を操業しており、5基の原子炉の総出力は3,900MWを上回る。火曜に発表された合意内容によると、エクセロンは特別配当4億ドルと引き替えに、原子炉を単独で運営することになる。EDFのトーマス・ピケマル最高財務責任者(CFO)は、「今回の合意はコンステレーションにとって、米国事業における第3章、願わくば最後の章となるだろう」と述べている。米原子力事業で過去6年間に総額20億ユーロを超える損失を計上したEDFは米原子力発電市場から段階的に撤退する。EDFのアンリ・プログリオ会長兼最高経営責任者(CEO)は「現時点で米国において原子力が拡大する余地はない」とした上で、米国のガス価格が他のエネルギー源と比較して急落した点を挙げ、「我々は現実的になりつつある。米原子力はもはや我々の重点分野ではない」と述べている。
出典:The Wall Street JournalThe Financial TimesE&E

ドイツのグリーン化の夢はCO2排出量の増加をもたらす
1980年代以降、初めて2年連続で悪化することが決定的となったドイツの大気汚染に関する報告は、2011年の福島第一原子力発電所での事故を受け、国内の原子力発電所の閉鎖を推進したアンゲラ・メルケル首相にとって政治的な打撃となりそうだ。温室効果ガスの排出削減に向けた1997年の京都議定書を支持したメルケル首相は、国内の8基の旧型原子炉を2011年に停止することを指示したため、CO2の排出をともなわない電力の供給が減少し、電力会社は多量の石炭を燃料として使用する結果となった。メルケル首相は残り9基の原子炉も2022年までに閉鎖する意向である。ドイツ経済研究所(The German Institute for Economic Research: DIW Berlin)の調査によると、2011年から2012年にかけて1.5%増加した温室効果ガスの排出は2013年まで増加を続ける見通し。また、ブルームバーグの報告によると、この間、ドイツの電力会社による石炭の輸入は25%増加している。この背景には、天然ガスよりも石炭の価格が安価であることがある。メルケル首相は6月12日にベルリンで開催されたエネルギー会議の席上で、石炭輸入の増加を取り上げ、石炭が天然ガスを凌駕している現状は「長期的に見て好ましくない」と述べている。
出典:Business WeekThe Washington Times