Forum on Energy Q&A:ロバート・ウィラード退役海軍大将、原子力発電運転協会会長兼最高経営責任者


ロバート・ウィラード退役海軍大将、INPO会長兼最高経営責任者

ロバート・ウィラード退役海軍大将、INPO会長兼最高経営責任者

原子力発電運転協会(INPO)は、商業用原子力発電所の運転において、最高レベルの安全性、信頼性、能力を向上するために活動している。Forum on Energyは、退役海軍大将であり現在はINPOの会長兼最高経営責任者を務めるロバート・F・ウィラード氏にINPOの組織と活動について議論するため対談を行った。

Forum on EnergyINPOとNRCの違いをどのようにお考えですか。この2つの組織はどのように協力できるでしょうか。

ロバート・F・ウィラード退役海軍大将:我々の役割は、異なっているが補完的なものである。NRCは深い技術専門知識を有し、許認可過程、公衆の健康や安全を確保するための監督責任を持っている。

INPOは、NRCによって確立された規制基盤を踏まえている。我々は、商業用原子力発電所の運転において、最高レベルの安全性、信頼性、能力を向上させるため、我々の会員から資金の提供を受け、人員が派遣されている。我々の専門知識は、我々の会員と産業界全体によるものである。

INPOとNRCは適切な場合に協力し合える―たとえば、我々はそれぞれの異なった言葉や表現を統一することで、原子力安全文化言語を発展させ、目標や理想をより明確に、分かりやすくすることができる。さらに、我々は情報を共有し、交換できる。NRC委員長はINPOの年次CEO会合において主要な講演者であり、我々もNRCの会合やイベントに同じように参加している。

Forum on Energyあなたの直接の経験に基づいてお聞きしたいのですが、INPOの専門知識や米国内の民生用原子力発電所の安全性を強化することに、米国海軍はどのような貢献をしていますか。

ウィラード氏:2つのプログラムはそれぞれ異なっており、別々に実施されている。機密性や機微性、情報の分類という理由から、運転実績の共有は行われていない。

しかし、海軍の原子力専門家がINPOや民生用原子力産業へ参加することは、利益をもたらす。商業用原子力発電産業は、元海軍の原子力専門家がもたらした訓練基準や運転基準、指導文化から大きく影響を受けている。

Forum on Energy福島事故から得られた教訓を履行するため、INPOはどのようなことを行っていますか。

ウィラード氏:INPOは、2011年の福島第一原子力発電所事故への米国内原子力産業界の対応において、重要な指導的役割を果たしている。

事故を受けて、電力研究所、米国原子力産業の幹部、そしてINPOは共同で、福島第一原子力発電所での事故で特定され、よく理解された教訓や、効果的に協調され実施された行動を確保するため、協調的な対応を展開した。

これらの努力の一環として、我々はINPO内に新たな部局を設立した。これは、我々の緊急時対応能力を向上させ、福島第一関連の勧告の実施をフォローし、産業界の緊急時への備えにおける能力を追及することを目的としている。

原子力産業界は事故の原因について深く理解をしていることを保証すべく、INPO、WANO、そして米国産業界は日本で事故レビューを行い、その後INPO文書で産業界に伝えられた運転上・組織上の教訓を特定した。

さらに、我々は事故に関連する国内外での会合やフォーラムへ広く参加した。昨年、Fukushima Forum II―我々が共同開催し、2011年の初期は支援を行った―には、20カ国以上から100名以上の原子力専門家が参加し、情報の共有や福島第一原子力発電所事故への対応としてとられた行動に関する報告が行われた。

Forum on EnergyINPOはどのように日本の新たな原子力安全推進協会(JANSI)と協力していますか。

ウィラード氏:我々の関与としては、レビューやチームの設立についてアドバイスをすることが挙げられる。

我々は日本の原子力発電事業者の最高経営責任者や幹部と、JANSIが成功するためには機能的な支援が必要になるということについて議論した。これは、INPOが必要とし、米国の商業用原子力発電産業から得ている支援、我々を効率的にする支援と大して違わない。

Forum on EnergyINPOの33年間の経験はどのようにJANSIの活動に影響を与えるでしょうか。過去の関連する教訓は何でしょうか。

ウィラード氏:INPOのミッションは、1979年に設立されてから変わっていない。商業用原子力発電所の運転において、最高レベルの安全性、信頼性を促進すること―能力を向上すること―である。重要な違いは、我々は原子力産業界の擁護者ではないということだ。正確に言えば、我々は産業界の構成員として能力向上に貢献する。

能力の向上という我々のミッションは、終わりなき旅である。本当の卓越した安全性は永続的な目標であり、原子力発電業界が参加を選択しなければならないものである。

2年前、BP Deepwater Horizon事故の調査委員会の場で話した際、INPOのリーダーシップは、INPOが商業用原子力発電産業における安全性向上に効果的に役立つことができるという大きな要因を示した。要因の中には、最高経営責任者の関与、原子力安全と安全文化への焦点、産業連携、説明責任、そして独立性が含まれる。

スリーマイル島に関する大統領委員会が商業用原子力産業界にINPOを創設するよう駆り立てた後、これらのすべての要素は大変な努力と時間をかけて発展のため取り込まれてきた。しかし、高水準の実績や本当の安全性追求の中で、これらは永続的に価値をもっている。