放射性廃棄物に関する手引書


National Journalが州別の放射性廃棄物処理場を示したインフォグラフィック。全体画像は最後に掲載してある。

National Journalが州別の放射性廃棄物処理場を示したインフォグラフィック。全体画像は最後に掲載してある。

放射性廃棄物とは、原子炉における核燃料の使用により発生する廃棄物を指す。実際のところ、あらゆる熱エネルギーの発生において廃棄物が発生する。使用される燃料が何であれ、そこから発生する廃棄物は人間の健康に害を与えることなく、環境への影響を最小限に抑える方法で管理されなければならない。

Forum on Energyでは放射性廃棄物の貯蔵、除去、処理に関する複雑さや現実についてまとめた、包括的な放射性廃棄物に関する手引書を作成した。

放射性廃棄物に関する手引書は、国内外の機関がオンライン上で公開している情報の中から最も適切かつ理解しやすいものを厳選しており、また、同時に次のような内容も掲載している。

Forum on Energyを通じてこの手引書を読み、放射性廃棄物について学びましょう。各セクションをクリックすると詳細情報が表示されます。

放射性廃棄物に関するニュース報道

ネバダ州政府、ユッカマウンテン処分場の許認可に対する判決を待つ
ユッカマウンテン廃棄物処分場の建設をめぐり、今後数週間以内に連邦政府が認可を進めるべきか否かの判決が下される。ネバダ州放射性廃棄物プロジェクト局長官のボブ・ハルステッド氏と顧問のジョー・ストローリン氏はネバダ州上院財務委員会において、許可に前向きな判決が出た場合に同州はこれに対抗する構えであると述べた。ジョージア州エーケン郡、サウスカロライナ州、ワシントン州などは過去にエネルギー省に対しユッカマウンテン処分場建設の許可を求める訴えを起こしたが、現在は宙に浮いた状態になっている。
出典:Las Vegas Sun

放射性廃棄物の貯蔵に4州が名乗りを上げる
ピーター・ライオンズ原子力エネルギー次官補によると、ニューメキシコ州を含む4州の政府高官が放射性廃棄物の暫定的もしくは恒久的な貯蔵地に名乗りをあげているとのことだ。ただし、ニューメキシコ州以外の州名については明らかにされなかった。米国エネルギー省は先月、2048年までに恒久的な最終処分場を建設し、その間に中間貯蔵施設を設ける計画を発表した。長年の懸案事項である放射性廃棄物の管理について、前に進めようとしていたのは一握りの上院議員だった。しかし最近、共和党のジョン・シムカス氏(共和党・イリノイ州)がネバダ州のユッカマウンテンを米国の最終処分場とすることが放射性廃棄物管理に関する法律の成立条件であると述べた。シムカス氏は環境及び経済に関する下院エネルギー商業小委員会の委員長である。米国は現在、行き場を失った放射性廃棄物を約65,000トン抱えている。
出典:E&E News

前ユッカマウンテン監督者、放射性廃棄物に対する取り組みを疑問視
ユッカマウンテン放射性廃棄物処分場の監督者であった水文地質学者によると、廃棄物処分場の決定基準として政府が新たに導入した「同意に基づく」手法は、十分に進んでいないとみられる。米国エネルギー省は先月、放射性廃棄物の新たな恒久的処分施設建設に向けて35ヵ年調査を開始した。その間、最短8年のうちに中間貯蔵施設を開設する。今回の計画において、同省は地元政府が自発的に場所を提供する「同意に基づくアプローチ」であることを強調していたが、米国自身は既にこの同意ベースの処分地提案が失敗に終わっていることを目の当たりにしている。「原子力エネルギーの利用が始まってから半世紀以上経過しており、地球上に危険で長寿命の廃棄物がどんどん蓄積され続けている。何とかしなければならない。」と前ユッカマウンテン監督者のウィリアム・アリー氏とその妻で共同著者のローズマリー・アリー氏は記している。「賛同的なコミュニティーを見つけることが解決策であるかのように喧伝されているが、これは単に最初の一歩であり、それ以上に大変なのはそれ以外のすべての人々の承諾を得ることである。」
出典:Forbes

日本、放射性廃棄物処分場の候補地選定仕切り直し
環境省は25日、東京電力福島第一原子力発電所事故によって汚染された「指定廃棄物」について、最終処分場の候補地選定をやり直すことを決めた。候補地とされている場所の住民が反対しているためである。同省は昨年9月、栃木県矢板市と茨城県高萩市にある国有地を2011年3月11日の東日本大震災による津波被害により事故を起こした福島第一原子力発電所から放出された放射性物質を含む廃棄物の最終処分場の候補地に選定した。しかし両市は、昨年秋に当時の民主党政権が行った説明が不十分であったとして候補地から外すよう求めていた。
出典:The Japan Times

ハンガリーの処分施設が最初の廃棄物を受け入れ
ハンガリー初の放射性廃棄物処理施設が同国南部の都市バータアパーティに完成した。同施設は放射性廃棄物管理委員会(PURAM)が建設期間15年、投資総額680億ハンガリーフォリント(3億1,000万ドル)を掛けて建設したものである。落成式は12月5日に実施された。式は最初に施設西側でのテープカット、次に地下250メートルの貯蔵庫入り口でのテープカットと2部構成で実施された。
出典:World Nuclear News

気候変動時代の放射性廃棄物
放射性廃棄物を保管するのに最適な場所は原子力発電所敷地内ではなく、何百年もの間保管することが可能な地震に強い地下であることを、科学者たちは随分前から理解していた。議会は1987年に制定した法律で、最終処分場はラスベガスの北西100マイルに位置するユッカマウンテン、と宣言した。しかしネバダ州の議員らはこれを「ネバダ州潰し」と取り合わず、絶対に自分たちの州内に放射性廃棄物を持ち込ませないことを誓った。それから同プロジェクトは休止状態となり、オバマ大統領はユッカマウンテンを最終処分場とすることは「ありえない」と述べた。しかし新たな現実―福島第一原子力発電所の事故、危うい経済、膨れ上がる財政赤字、気候変動に対するさらなる取り組み要求など―に直面し、米国内の放射性廃棄物問題に対する解決策を模索する動きが再び沸き起こった。この取り組みはひとりの上院議員の登場が鍵となって活性化し、地方政治が国政を劇的に動かすことができるという事例を示している。
出典:National Journal

米エネルギー省、放射性廃棄物保管費の見直しはしないことを決定
米国の原子力発電所運転者や所有者は、自分たちの施設から出る放射性廃棄物を現在保管しており、これまでも保管してきた。しかし米エネルギー省のスティーブン・チュー長官は、この事実に関係なく、連邦政府は原子力発電会社が使用済み燃料を廃棄する際に支払う費用を変更する予定はない、と述べた。原子力発電会社が過去3年間で支払った費用は年間約7億5,000万ドルに上る。「一見したところ、事実上失敗した計画のために原子力発電事業者およびその顧客に、エネルギー省が代金を請求することを正当化できると理解することは、困難であると考える」と米国法定公益法人協会のロバート・ソロメイヤー広報担当は述べた。今回の政府の決定は放射性廃棄物保管費用の見直しに対する連邦裁判所の決定を受けたものである。
出典:SNL

各州と原子力発電会社、放射性廃棄物処理費の迅速な廃止とエネルギー省の申し立て見直しを求める
「米国の放射性廃棄物計画に伴う原子力発電会社およびその顧客に対する課金見直し結果は、裁判所ならびに議会の意図に反するものである」と州の公益事業規制当局や原子力発電会社は反発している。今回の件は、米国の放射性廃棄物政策について示した1982年の放射性廃棄物政策法に基づくものである。この法律では、エネルギー省が原子力発電会社に対し最終処分場までの輸送費及び貯蔵施設使用料の支払いを求める契約を締結するよう定めている。この最終処分場とは、あのユッカマウンテン(ネバダ州)である。エネルギー省が原子力発電会社と消費者に対して課金することで、この契約は成り立っている。オバマ政権は発足後間もなく、この放射性廃棄物政策及びユッカマウンテン処分場の許可申請の審査を保留すると発表した。しかしながら、この放射性廃棄物処理費用については見直されなかった。
出典:Power Engineering

ワイデン上院議員、核廃棄物の中間貯蔵施設への再配置に前向きな姿勢を示す
ロン・ワイデン上院議員(民主党・オレゴン州)は放射性廃棄物をリスクの高い原子炉から中間貯蔵施設へ移動させる用意があるという考えを示している。米上院エネルギー・天然資源委員会の次期委員長という立場からすると、現委員長のジェフ・ビンガマン上院議員(民主党・ニューメキシコ州)とは異なるものであり、国内の放射性廃棄物管理への取り組みが再び活性化する可能性が出てきた。ビンガマン上院議員は、恒久的、長期的保存が可能な処分場が完成するまでは使用済み核燃料を中間貯蔵施設に保管することを阻止しようとしており、この立場が放射性廃棄物処理に関する議会の話し合いを決裂させる結果となった。「ワイデン上院議員は(現時点では不確かではあるが)放射性廃棄物処理に関する法律を議会で通過させることに極めて前向きである」と同委員会幹部のリサ・マコウスキー上院議員(共和党・アラスカ州)のスポークスマンであるロバート・ディロン氏が語った。
出典:The Hill

ランド研究所、放射性廃棄物処分方法に関する調査結果を発表
ランド研究所は先日、使用済み燃料の処分について連邦政府公社と政府機関が対応するのが最も好ましいとの調査結果を発表した。同研究所は米国エネルギー省(DOE)の依頼を受け、政府にとって最適な道筋を決定すべく代替モデルの分析及び枠組み構築を進めていた。どちらのアプローチも「説明責任、目に見える意思決定、政治的影響力からの隔離、公共的利益、組織的安定性という重要な特性を満たすことが可能である」とSmart Energy Universeは評価している。エネルギー省は今週初め、2048年までに恒久的な処分施設を建設する計画を発表した。
出典:Smart Energy UniverseRAND Corporation

フィンランド、放射性廃棄物の埋設処理を2022年に開始予定
フィンランドのポシバ社は15日、フィンランド政府に対し使用済み燃料の最終処分場建設の許可を申請した。同施設では世界で初めて放射性廃棄物をカプセル化して埋蔵処分する。フィンランドの電力会社2社(フォータムとTVO)の子会社であるポシバ社は、ヘルシンキから北西230キロに位置するオルキルオト島の地下約400メートルに(洞窟を意味する)オンカロを建設し、放射性廃棄物を埋設処理させる計画である。使用済み燃料はベントナイト層に囲まれた銅鋳鉄製のカプセル内に少なくとも100,000年間保管される。ベントナイト層は水が入ると膨張し、放射性廃棄物が岩盤に入り込むのを防ぐ役割を果たすとされている。
出典:Reuters

州政府と電力業界、原子力規制委員会に対しユッカマウンテンの見直し終了を求める
米原子力規制委員会(NRC)によるユッカマウンテン処分場の見直し終了を求めて、州政府、公益事業規制機関、それに原子力エネルギー協会が合同で連邦控訴裁判所に訴えを起こした。NRCは資金が不足していることを理由としていた。「政府代表が表明し、放射性廃棄物政策法に明記された決定に変更はないため、法律に基づいて出資された資金を元に許可を発行するというNRCの義務は果たされるべきである」と原告側は述べた、とE&Eは報じた。共和党のジョン・シムカス下院議員(イリノイ州)は、原子力規制委員会及びエネルギー省が放射性廃棄物政策法を確実に実施するよう、自らが委員長を務める環境及び経済に関するエネルギー商業小委員会が圧力をかける、と述べた。
出典:E&E (定期購読のみ)、shimkus.house.gov

放射性廃棄物処理方法を探し求めて
断層について紆余曲折している原子力国家日本はどのように放射性廃棄物を処理したらよいのか―その答えは東北のとある吹きさらしの村が出してくれるはずであった。使用済み燃料を集め、その中からプルトニウムとウランを取り出す次世代再処理工場の建設地として、青森県六ケ所村は燃料を供給しつつ放射性廃棄物処理問題も解決できる場所となるはずであった。しかしその希望は崩れつつある、というのも再処理燃料を使用するはずであった「高速増殖炉」が失敗に終わりそうな可能性がでてきたためである。しかし日本は六ケ所村での再処理実施を進める姿勢を崩していない。プルトニウムは核兵器に利用される可能性があるにもかかわらず、日本はこれ以外の選択肢は視野に入れていないようである。
出典:The Vancouver Sun

中間貯蔵施設をめぐり業界と監視団体が対立
オバマ政権が発表した放射性廃棄物を原子力発電所から中間貯蔵施設へ移動させる計画をめぐり、テロリストの標的になりやすいとして業界と監視団体が対立している。金曜日に公表された報告書では、現在72の民間原子力発電所及び核兵器保管施設に貯蔵されている放射性廃棄物を2カ所以上にまとめる案をエネルギー省が支持していることが明らかになった。集められた放射性廃棄物は恒久的な地下処分場が完成するまでそこで政府が監視するとしている。最終処分場に関する具体的な計画は未定であるが、2048年までには一カ所が稼働開始する見込みである。
出典:NTI

米国エネルギー省、2048年を目途に放射性廃棄物最終処分場の建設を計画
エネルギー省は2048年を目途に放射性廃棄物の地下最終処分場を建設する計画を進めている。現在、商業目的の原子炉から出る放射性廃棄物は約68,000トンに上る。新しい計画では、2021年までに約3,600トンの放射性廃棄物を一時的に地上施設に保管し、2025年までにそれより大きな施設を準備して20,000トンを保管する予定である。ただ、最終処分場をどこに建設するかはまったく決まっておらず、オバマ政権にユッカマウンテン処分場案を再検討するよう圧力をかけているグループもある。ユッカマウンテン最終処分場は2020年に完成する予定であったが、同計画は中止となった。
出典:Las Vegas Review-Journal

放射性廃棄物に関するグラフィック

National Journalが州別の放射性廃棄物処理場を示したインフォグラフィック

National Journalが州別の放射性廃棄物処理場を示したインフォグラフィック

放射性廃棄物に関する期間、放射能、支出などについては以下に詳しい情報が掲載されている。

ビデオ映像

放射性廃棄物に関する以下のビデオ映像はさまざまな情報源から情報を集めており、教育的で役立つ内容である。

  • ヘリテージ財団提供ドキュメンタリー映像、『米国における電力供給:放射性廃棄物管理』(原子力発電会社は使用済み燃料を安全保管しているにもかかわらず、現在のアメリカ政府による使用済み燃料の管理制度は崩壊しており、持続不可能な状態にあることを示唆)
  • Google Tech Talk、『放射性廃棄物は本当に廃棄物?
  • BBCが2012年後半に放送したカンブリアの放射性廃棄物処理におけるジレンマに関するニュース映像
  • オンタリオ原子力発電所を通じてカナダの放射性廃棄物管理手法を垣間見る
  • Environment & Energy Publishing TV―原子力エネルギー協会のマーヴィン・ファーテル会長が法案の見通しと米国及び世界の原子力の今後について語ったインタビュー映像、並びに、なぜ米国はエネルギーの国際取引に対する規制を撤廃すべきかについてバイロン・ドルガン前上院議員(民主党・ノースダコタ州)とトレント・ロット前上院議員(共和党・ミシシッピ州)が語った共同インタビュー映像

書籍

TooHotToTouchToo Hot to Touch: The Problem of High-Level Nuclear Waste(高レベル放射性廃棄物問題)
ウィリアムM・アリー、ローズマリー・アリー著

ウィリアム&ローズマリー・アリー夫妻による共著。米国内における放射性廃棄物管理を取り巻く問題点や可能性について、他国と比較しながら記述している。先駆的科学の発明、政治論争、マスコミ報道、放射性廃棄物の処分場反対運動を繰り広げる地域住民に至るまで、第二次世界大戦後から現在までのすべての歴史をカバーしている。

UncertaintyUndergroundUncertainty Underground: Yucca Mountain and the Nation’s High-Level Nuclear Waste(ユッカマウンテンと米国内における高レベル放射性廃棄物)
アリソン・マクファーレン、ロドニー・イウィング共著

マクファーレンとイウィングは、放射性レベルの高い使用済み燃料の最終処分場が建設される予定であるネバダ州ユッカマウンテンの安全性に対する議論及び疑問点について、信頼できる科学的根拠を基にした情報を提供している。ユッカマウンテン処分場については、議会及びブッシュ政権が承認しており、既に70億ドルもの費用が拠出されている。

インターネット

国際原子力機関

原子力エネルギー協会

米国原子力規制委員会

原子力とは何か?ウェブサイト

世界原子力協会