世界のエネルギーニュース総括:6月7日


Forum on Energyの週間ニュース総括では、ウェブ上から世界のエネルギー事情の話題について取り上げています。Forum on Energyは、毎週木曜の朝forumonenergy.comに新しい内容を掲載し、Twitterアカウント@forumonenergyからも閲覧可能です。

中国、新たな原発開発の一時禁止措置を解除

中国は、福島事故の結果を踏まえて新たな原発開発の一時禁止措置を敷いた1年後に、その措置を解除した。フィナンシャルタイムズによれば、中国政府は新たな安全基準を含む安全審査プログラムのあらゆる要件と国内の全原発の検査を承認した。中国の新たな安全性プログラムは、新たな原発建設に向けた世界的な動きにプラスの影響を及ぼすと考えられる。現在中国で建設されている新しい原子炉の多くは、米国(Westinghouse社)およびフランス(Areva社)の技術を用いた第3世代の設計によるものである(出典:CNN)。

日本、原発再稼働の可能性:議員ら首相に慎重になるよう嘆願書提出

野田首相は、関西電力が所有する2基の大飯原発の再稼働に関して4名の閣僚との会合を行った。首相は「原発を再稼働するにあたり、原子力規制組織を立ち上げる必要があるという政府の一時的な懸念は理解しており、閣僚はこの新たな機関の設置にかかわる行政上の問題を解決できるよう取り組んでいる」と述べた(出典:日本政府ニュースリリース)。

再稼働決定の可能性を受けて、ロイター通信社は、野田首相がその決定に警告を迫る請願書を受け取ったと報じている。請願書には与党議員の1/3による署名があった。国民の大多数が、節電と電力会社の電力融通で今夏を乗り切ることができると考えていることが、世論調査から明らかとなっている。野党や国民のなかでも、十分な同意が得られていないということを考えていただきたい。(出典:ロイター通信社

ピューリサーチセンターによる世論調査 日本人は原子力エネルギーへの依存度低下に賛成

ピューリサーチセンターは6月5日、原子力エネルギー、福島原発事故の政府の対応および経済に関する意見を聞く世論調査の結果を発表した。この調査結果では、野田首相は最終的に、2011年3月の地震と津波を受けて運転中止となっている50基のうち2基を再稼働させても安全上問題ないとして地元自治体を説得した可能性があるとの報告が記載されている。しかし、日本人の70%は、日本が原発への依存度を下げる必要があるとしている。さらに、日本人の大半が、福島の状況に対する政府の対応に満足していないこともわかった。(出典:ピューリサーチセンター

福島事故があってもなお、世界的な原子力の増加大きく

フィナンシャルタイムズの記事によれば、日本と一部の西欧諸国(ドイツ、イタリア、スイス)は原子力計画の後退策を取る可能性があるが、それ以外の国、特に東南アジア、中東、中国、インド、ロシア、サウジアラビア、リトアニア、韓国、トルコおよびアラブ首長国連邦などの国には、高まる需要に必要な電力を供給するため、新たな原発に依存する計画がある。(出典:フィナンシャルタイムズ

経済回復に向けた日本の不動産投資と観光ポイント

Bloombergは、ゴールドマン・サックス証券株式会社が先日、不動産価格の下落を生かして日本に不動産投資信託(REIT)を設立する計画があると発表したと報じている。日本の不動産投資に関心がもたれていることから、ウォールストリートが、日本経済の回復が間近いと感じているということがわかる。

日本経済が上向きであると感じていることをさらに裏づけているのが、観光客の人数が福島原発事故前のレベルに戻って来ていることを示すデータである。ジャパンタイムズは、日本行きの飛行便が増えたことにより、観光業が持ち直したと報じている。福島原発事故の翌年に、観光業は50%以上も落ち込んだ。円が他の通貨より高いこともあって、ほかのアジア諸国の観光業は低迷を続けており、日本の経済状況が改善しつつあることを示すもうひとつの指標となっている。(出典:Bloomberg