福島第一原発における汚染除去作業の課題と、日本と米国の連携


東日本の海岸地域を襲った地震と津波の余波と、福島第一原子力発電所で発生した突然の危機は、世界中、特にクリーンエネルギーを生み出すために原子力を利用している国々を深く考えさせた。原子力発電に依存する国々、原子力発電を目指す国々は、原子力発電所で問題が発生したときには連帯する。福島第一の場合、世界中の国際組織と原子力規制機関がこの危機に対応したことから考えても、これは明らかである。特にこの件では米国と日本の協力と連携体制が強化され、絆は今日ますます強まっている。

日本と米国双方の政府と企業はクリーンアップのオプションについて評価をおこない、福島第一原発の外側と内側の放射能汚染に対処するために最良の戦略と技術を決定した。この連携の重要な要素は、米国において1980年代から始まった核兵器群の継続的クリーンアップから得られた経験と教訓を共有できることであった。この独自の経験の結果、米国の国立研究所と多数の企業が、日本におけるクリーンアップ作業にその特殊な専門性を適用できた。

SRNL logoサバンナリバー国立研究所(SRNL)―核廃棄物の処理、クリーンアップ、および環境修復に特化した米国エネルギー省(DOE)の研究機関―は、事故発生の数日後から、エネルギー省の原子力エネルギー対策チームと直接連携しながら日本に情報と支援を提供した。この連携は、2011年10月、日本で開催された福島第一原発のクリーンアップに関する日本/米国エネルギー省のワークショップに発展した。政策と技術の問題については、2011年12月に開催された日米ラウンドテーブル・ワシントン会議において、SRNL、CH2M Hill、およびその他の企業により講演がおこなわれた。第2回のエネルギー省の技術ワークショップは、2012年2月にハンフォード・サイトで開催された。

これらの連携に続き、9人のTEPCO代表団が、2月29から3月2日にかけて、サバンナリバー国立研究所を訪問した。同時に、SRNLと、DOEの核廃棄物クリーンアップをサポートしている太平洋岸北西部国立研究所(PNNL)が共同で、TEPCOと協議を継続した。エネルギー省によると、TEPCO、SRNL、およびPNNLの科学者と技術者は、放射線検出、放射性核種の最後と輸送、汚染水の処理と再使用、使用済み燃料の検査と特性決定、原子炉サイトの安定化と除染、さらに周辺地域の汚染土壌、生物相、および水の特性決定、修復、および管理手段について、情報と経験を共有した。

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SRNL所長、テリー・マイケルスク博士

DOEニュースリリース(PDFファイル)では、SRNL所長テリー・マイケルスク博士が双方向の協力関係について語っている。

「日本は、今後長期にわたってクリーンアップの困難に直面する。その中にはSRS(サバンナリバー・サイト)の得意分野が多く含まれる。我々は、複雑で長期にわたるクリーンアップと修復をサポートする技術の開発と展開に関して、長い成功の歴史がある。国立研究所の重要なミッションは、この専門性を世界の原子力コミュニティにおいて利用できる道を見つけることである。また今後、東京電力から数多くを学び、それが我々の原子力知識ベースの重要な財産になることを期待している」

テリー・マイケルスク博士は、2010年9月から、サバンナリバー国立研究所の所長を務めている。博士の経歴は以下のとおり。

  • サンディア国立研究所のエネルギーおよびセキュリティシステムの元責任者
  • ウッドロー・ウィルソンセンターで開催された、2009年「エネルギーと気候に関する超党派政策の構築」ワークショップ委員長
  • 受賞歴:Orton Lecture Award、R&D 100 Award、Woldemar A. Weyl International Glass Science Award、Ross Coffin Purdy Award、DOE/Basic Energy Science Materials Science Award for Outstanding Technological Accomplishment

数多くの教訓を識別してまとめるためにSRNLは知識の統合化を開始し、いずれデジタル化された技術ガイドとして公開する。これは米国の経験に基づいているが、福島のクリーンアップ作業を活かして調整された修復戦略を構築するための詳細計画である。英語版と日本語版の両方が出版される。

SRNLは、クリーンアップ・プロジェクトのプランニング、実行、および評価について厳格な科学的/技術的基盤を構築し、幅広い利害関係者に受け入れられる革新的な解決策の基礎となる透明性を提供する。SRNLの技術的経験と専門性は、研究・開発のすべての局面に関わる研究所の直接的成果である。

SRNLとそのクリーンアップ能力の詳細については、http://srnl.doe.gov/を参照のこと。

Dr. Jeff Griffin of SRNL with the TEPCO delegation

SRNLのジェフ・グリフィン博士とTEPCOの訪問団

Forum on Energyでは、環境管理の研究所共同責任者(SRNL)、ジェフ・グリフィン博士のクリーンアップと修復方法に関するインタビュー、およびクリーンアップと修復に関するSRNLのインフォグラフィックを閲覧できる。

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